車谷浩司氏の「AIR」のこと
ここ最近、長年聴いていなかった「AIR」をよく聴いている。
「AIR」というのはアーティスト車谷浩司氏のソロユニット。活動期間は1996年~2009年。多感だった10代後半から20代前半、僕のMDウォークマンやipodの中には常にAIRの音楽が流れていたほどだった。
ここのところ、自分の原点は「AIR」なんじゃないかと考えている。
轟音ギターがさく裂するラウドなナンバーと、アコースティックギターをつま弾いて穏やかに歌う静かな楽曲が混在する世界観。
AIR - Starlet (Live at Yokohama Arena)
AIR - Kids Are Alright ~ Rush and Rush (Live in N.K)
車谷氏本人も「ラウドなものと静かなものを両方やらないと消化不良」と言っていたこともあり、地道ながらアーティスト活動をしている今の自分にはその言葉の意味が深く理解できる。
音楽を、ジャンルではなくて飽くまで「音楽」という一つの括りで体現する。その姿勢を「AIR」は学ばせてくれたのだった。
他にも、アーティスト写真やCDジャケット、デザイン等で見せるキッチュなポップ感や、ユニセックスなファッション等、若き日の僕は影響を受けまくっていた。
2009年、AIRは活動を終了する。こうして書いてみると意外だが、もう10年も経っているのか。
インターネットは広大で、情報の洪水なわけだが、10年前の情報を探そうとしても限られたものしか出てこない。最近になって「車谷浩司 AIR」で検索してもヒットするのはすでに知っているものばかり。寂しさを感じないわけにいかない。かつて自分が夢中になっていたものであっても、月日の経過と共に埋もれて行ってしまう。残されたあの歌のメロディを、今は口ずさむだけだ。
AIR - Last Dance (Live at Yokohama Arena)