極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

ファイナルファンタジー7 REMAKEのこと

 

 


FINAL FANTASY VII REMAKE for E3 2019

 

僕はゲームってほとんどやらない。やりはじめたら時間がなくなるしね。

そんな僕でもこのトレーラーを見たときは夜勤の休憩中にブッとばされたのだった。

彼らが帰ってくる。心の中に様々な葛藤を抱えながら、悩み抜きながらも敵と戦い、星を救った彼らが、完璧な姿で帰ってくる。

 

このゲームが発売されたとき、僕は中学生だった。当時からゲームはあまり興味がなかった。ファンタジーは特に設定がややこしいので遠ざけていた。部活や塾通い等で忙しい日々を過ごしていたし、周りが「プレステだ!」「FFの新作だぞ!」と大騒ぎしていても「そんなものか」と思ってみていた。

 

でも、テレビコマーシャルでミッドガルの街並みが映し出されたときに、僕の中でパラダイムシフトが起こった。これ、ファンタジーっぽくない! SFっぽい街並み! こういうの好きじゃん俺!

 

買ったはいいものの相変わらず忙しい日々。それに、当時は両親との約束で「ゲームは一日一時間」と決められていた。周りのクラスメートよりも遅く購入したし、一日一時間のプレイ。早々とクリアしているクラスメートからは「まだ終わらないの?」と罵られる日々。でも、君らにはわかるまい。これが逆に良かったのだ。

 

長い時間をかけて、僕は画面の中にいるクラウドや仲間たちと大きな旅をすることができたからだ。

 

一日一時間のプレイ時間、僕は夜寝る前に、登場人物たちの心境を想像することが好きだった。ゲームに描かれることのない「行間」を読むことが大好きだった。それはきっと、一日何時間もプレイして「誰よりも早くクリアする!」という目的でゲームを進めているクラスメートには理解できないことだっただろう。クラウドたちは、本当に「生きた人間たち」として僕の心の中にいたのだった。

 

リメイク版発売とのことで、ネットを使って改めて設定資料やシナリオ等を調べてみたけれど、これは本当に凄いね。ミッドガルは、今思えば「AKIRA」のネオ東京のようだ。そういえば、バイクでぶん殴るシーンなんかもあったしね。

国家ではなく、巨大企業が世界の覇権を握る世界。「エイリアン」のユタニ社みたい。70年代後半から90年代にかけて、そういう設定のSF映画いっぱいあったよね。楽しい!

スチームパンク的な機械文明、漢字を使用したブレードランナー的な東アジア感、そこにファンタジーチックなドラゴンやモンスター、魔法を違和感なくブレンドする。すごいよね、あの世界観で召喚獣なんて登場したら浮くはずなのに違和感がない。

 

登場人物が錯綜するシナリオも見逃せない。作者の頭どうなってんだ!と思わせるほど複雑な人間関係。登場人物それぞれの想いや思惑があるなかで、破綻なく進行していくシナリオは本当に見事だ。頭ではわかっていても、説明するのは難しい、何とも奥深いストーリー。

 

今回のリメイク動画、本当に懐かしい気分にさせてくれた。中学生当時の記憶と共に、彼らと旅をしたときの心境が蘇る。PS4は持っていないし、ゲームはやりはじめると大変だから購入するかはまた考えるけれど、しばらくはこの懐かしさを噛みしめよう。