極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

ワールドカップがやってくる。

 

日本シリーズが終わったと思ったら、今度はワールドカップがやってくる。

 

そう書いている私は、実はスポーツには全く興味がない。

観るのも、やるのも…。

 

 

……。

 

 

わかっている。体育会系の人間が有名企業と日本社会を先導し、トップの大半を何らかのスポーツ経験者で占めるこの日本という国で、「スポーツに興味がない」と発言することが如何に無謀なことか。

「俺はこの社会では成功できません」と宣うようなものである。

マジで波風が立つ。

けど、書く。書いちゃうもんね。

 

スポーツを心から愛している「体育会系原理主義者、スポーツ右派、競技保守層」からは何度も本気でムカつかれてきた。それが私の人生である。時には人権さえも軽んじられることもあった。これはマジだ。

 

例えば、私の場合は大学を出て一番最初に就職した企業が「紳士服販売店」だったのだけれど、そこは体育会系社員が群雄割拠する職場だった。

一度、私が他店に努める野球好きの先輩社員に「自分は野球には興味がない」と話したところ、「お前が俺の店にいたらぶっ飛ばしているぞ」とすごまれたこともある。まあ、この場合、先輩の好きな物に対して「興味が無い」と言い放った私にもかなり問題がある。新卒に「興味ない」と言われた先輩、元気してっかな? 相変わらずバット振り回してんのかな?

 

 

そんな「スポーツ原理主義」が渦巻く日本社会で生きていくうえで、我々「革命的スポーツ興味ない派」は、ひたすらに「興味がない」ということを隠さなければならないわけである。不要に波風を立ててムカつかれても、損するのはこちらの方だ。

 

先の日本シリーズのときも、職場での話題には中々に苦労した。

「サエキさんは、野球はどこファンなの?」なんていう質問もされるのだけれど、贔屓のチームがない私は、適当に「巨人ですね! 最近は、黄金期と比べるとちょっっっと元気ないですよねぇ、ほんと」なんて、適当にお茶を濁しつつその場をやり過ごしたものだった。もちろん、日本シリーズは一瞬たりとも観てないし、最近の巨人軍についても全く存じ上げない。

 

で、今月の中盤には、いよいよワールドカップが始まってしまう。

 

これでも、サッカーについては少し「勉強しよう」と思ったことのある著者である。

 

「欧州サッカーに詳しいとカッコよさげじゃん! なんか洒落てるし、履歴書にも

『趣味:欧州サッカー観戦』って書くと格が上がるし!」

 

と思って色々調べたりしていたのだけれど、結果から言えば全く長続きしなかった。結局、人に良く思われようとして始めたことなんて碌なものにならないのである。これは真理だ。

 

行きつけの美容室での美容師さんとの会話も、ワールドカップの話題になるんだろうなぁ、なんて考えながら、今から戦々恐々としている筆者である。

「この間のカタール戦、観ました?」とか聞かれるんだろうな。そういう時は適当に「いやあ、日本って昔から後半のフォーメーション乱れますよねぇ?」なんて言っとけば乗り切れる。もちろん、試合を観る気はない。

 

「中盤の展開、エグくなかったですか?」

「やっぱり決定力不足が云々…」

「組織としてはまとまってる方だと思うんですけどねぇ」

 

こんなことを言ってるときの私は、その試合を観てませんので悪しからず。

観てないサッカーの試合を、あたかも観てきたかのように話せる。私の特技の一つだ。それもこれも、「スポーツ原理主義」によって価値観の偏った日本社会が悪いのである。こっちは空気乱さないようにしてるだけだ。これはある種の気遣いだぞ。わかってるか君たち?

 

こんな具合で、「スポーツ原理主義」が蔓延する日本社会で、その素性をひた隠し、心の中で「んなもん興味無ぇよイヒヒヒヒ」と舌を出してやり過ごしている我々「革命的スポーツ興味ない派(略して、革ス無派)」は、今日も心の中で小さなゲバ活動をしているわけである。

 

あ、でも、日本代表選手の名前くらいは憶えておいた方がいいかな?

ラモスとか…、北沢とか…、柱谷とか…、アジアの壁の井原さんとか、今年は選ばれてんのかな?

 

まずは情報収集だ。

 

急ごう、

 

同志よ、我々のワールドカップは、すでに始まっている。