極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

ボカロオルタナティブ祭2023冬、お疲れさまでした。

 

サムネイルのイラスト「雨降りと最終列車」は投稿サイト「piapro」にて絵師「ぱもぎゅ様」よりお借りいたしました。 

 

 

 

 

 

 

 

 


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「ボカロオルタナティブ祭2023冬」にて新曲投稿しました。

タイトルは「地下鉄のアリス」。聞いてくださった皆様、ありがとうございました。

 

ボカロ曲を作って投稿するのは前回の「ボカロオルタナティブ祭」以来だった。

とはいえ、音楽から遠ざかっているわけではなく、依頼を受けてBGMを作ったり、他のボカロP様の曲にギタリストとして参加させていただいたり、イベントに呼ばれてギターを演奏しに行ったり歌ったりと、相変わらず音楽活動は続けている。自分の活動のみに固執していないだけである。

これからもフットワークを軽くして音楽と向き合いたいと思う。

 

 

さて、

 

「地下鉄のアリス」という曲について。

 

題材に選んだのはタイトル通り「地下鉄」と、「不思議の国のアリス」。

 

地下鉄というのは題材として面白いと思う。つい最近でも地下道を舞台にした「8番出口」という名前のゲームが話題になっていましたね。かくいう私も「地下鉄」「地下道」には魅力を感じている創作者の一人だ。「無意識への埋没」、「異界への入り口」、「現代の未知なる迷宮」等など、どこか不吉で奇妙な魅力を感じる。

 

不思議の国のアリス」も、主人公アリスが不条理で理不尽な夢の世界に迷い込む話だ。現代版でアップデートしようとすれば、舞台を地下鉄に設定しなおして再構成するのは悪くない選択だと思う。

 

25年ほど前に「チューブテイルズ」という映画を観たのだけれど、その映画もロンドンの地下鉄を舞台にしたオムニバス映画だった。当時高校生だった私は、イギリス映画のセンスの良さに夢中になった。とりわけ、ロンドンっ子たちのジップアップブルゾンの着こなし(ジャージのトップスのファスナーを首までしっかり上げて着る)が、当時のわたしにとってはものすごくカッコよく見えたのだった。ニコニコ動画で発見したのでチラッと観てみたが、やっぱりカッコいいね。DVDがあるようなので探してみようと思う。

 

不思議の国のアリス」は、もう言わずとしれた名作中の名作。私も好きだし、避けては通れない。これからも題材に選ぶと思う。

子供のころにCBSで制作されたドラマを見たのだけれど、これもとても素晴らしかった。大学に入って授業の関係で原作を読んだのだけれど、子供のころにこのドラマを見ていたおかげで、ストーリーがすんなりと頭の中に入っていったのを覚えている。

 

そんな名作たちを下地にして、自分なりに曲を作ってみた。最後はサビの英語について。

 

 

フフフ。どうやら私は英語を間違えてしまっているようだ。

 

そうそう、自分で気が付いたので書いてしまうが、

 

"i couldn't find no other way out."の部分。

グーグル翻訳にかけると「ほかに道を見つけられませんでした」と翻訳されるのだけれど、これ、二重否定文だから、肯定文になる可能性もあるんだよね。

つまり、

「ほかに道がないことを見つけられなかった」→「ほかに道があった」

と訳される可能性もある、というか、そちらがむしろ正しいんだよね、きっと。

 

まあでも、ローリングストーンズの「サティスファクション」も冒頭で、

"i can't get no satisfuction."

と二重否定文が使われているが、これがどういうわけか「満足できない」と訳される。二重否定なのに肯定文にならないんですよね。最終的には文脈を見て判断する、ということなのかな。

 

英語は本当に難しくて奥深くて、そして面白い。

 

まだまだ勉強が足りませんな。

 

さて、最後に引用をいくつか貼り付け。

まずは「チューブテイルズ」。やっぱり今観てもカッコいい。オムニバス形式の映画で、とりわけ一番最後のストーリーが胸に残る。やはり地下鉄を「異界」として定義している。

 

 

 

 

そして、こちらはCBSのアリス。ジャバウォッキーの着ぐるみ感など、全体的に予算の少なさを感じるが、やはりこれも最後の歌が泣ける。子供のころに自分を支えてくれたもの、それは想像の世界の住人達。私もそうだったかもしれない。彼らのことは、いつまでも忘れずにいたい。

 

 


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というわけで、年内はこれにて閉店。また来年お会いしましょう。

 

 

 

 

赤い季節を抜けて

 

チバユウスケ氏の訃報が世に出てから、落ち着かない気持ちでいる。

ミッシェル・ガン・エレファントのアルバムは全て持っているし、ROSSOの映像作品「muddy diamond sessions」は今でも時折観たくなって再生するし、THE BIRTH DAYが「STAR BLOWS」というアルバムを出した時にはライブにも行った。今でもアルバムが出れば思い出したように購入し、移動時間などで聴いていた。多感だった10代から現在に至るまで、変わらず私に刺激をくれる存在。それがチバユウスケ氏だった。

 

今年の5月頃に咽頭がんのため闘病中であることが伝えられた際、私は無意識に「このことはあまり考えないようにしよう」と思った。私は普段、介護士として施設に勤務しており、勤務している中で、がん治療をしている方々の介護をしたことが何回かある。SNS上では「チバががんなんかに負けるわけがない」と書いているファンの方が多くいらっしゃったし、自分もそうであってほしいと願っていた。そんな風に記したファンの方々だって、祈るような気持ちで記したに違いない。チバさんは、必ず帰ってくる、ステージに帰ってきて「もう大丈夫」と言って、グレッチを引っ提げて笑ってるはずだと。

反面、あまり楽観的になれない自分もいた。人の命を、執拗なまでに追い詰めていく病気、それががんだ。介護の仕事上、悲観的なことに関しては無意識に心のシャッターを閉める癖がついている。「これ以上は心で受け止めない、頭で受け止める」。冷静に、客観的に、妙な邪推や希望的な憶測もせず、続報を待つ。

 

待っている続報が来ないことに違和感を覚えながら、12月5日の訃報を聞いた。

 

頭ではわかっていた。氏の状況が芳しくないことは、5月以降に続報が出ないことが物語っていた。そして、ある程度の心の準備をしていたつもりだった。

それでも、やっぱり心は嘘をつけない。次の日の朝目が覚めて「チバがもういない」と思うと気分が重くなった。昨日は夜勤業務中のふとした時に涙が出た。

 

がんという病気の執拗さ、それと戦い続けたチバユウスケ氏。

病床で闘病していたであろうチバ氏のことを考えると、心が痛む。がんとの闘いは言うに及ばず壮絶だ。というか、がんに限らず人があの世に旅立っていく様というのは壮絶だ。全くもってきれいなものではない。それでも、チバ氏は戦い抜いた。

正直やりきれないし、全然心の整理がつかないけれど、今はただ「お疲れ様でした」と天に向かって手を合わせたい。

 

"どうやら闇の時代は終わったみたいだ

乾いた空にそんな感じがするんだ

きっとあいつもそう言うぜ teddy boy"

 

 


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痛みのある体から解放されて、今頃またギター弾いて歌ってるかな。

アベさんと二人で。

 

 

 

9月16日は「BATMAN DAY」なので、バットマン出演最新作「ザ・フラッシュ」について書いてみる。

 

 

 

 

鑑賞からだいぶ経ってしまったが、改めてレビューをば!

 

 

 

思わぬ感動作となった映画「ザ・フラッシュ」!

 

 

来る9月16日はなんと「BATMAN DAY」なのだそうな。そんなわけでバットマンに心を奪われて久しい私も、この機会にバットマンの話をしてみようと思う。

 

まずはバットマン出演最新作「ザ・フラッシュ」のこと。

 

DCコミックの最速スーパーヒーロー・フラッシュの初主演映画である。

 

 

 

あらすじ

事態の収拾に向かう二人のバリー・アレンことフラッシュ。

・・・・・・・・・・

 

母を殺害され、父がその冤罪を着せられて服役中という、二重の不幸を背負って大人になった主人公バリー・アレン。彼は実は正義のスーパーヒーロー軍団「ジャスティスリーグ」のメンバー「フラッシュ」その人だった。

ヒーローとして幾多の困難を乗り越えたバリーは、リーグの中では前線に立つときは少ないものの、頼れるレスキュー要員として確かに成長していたのだった。

 

しかし、ふとした時に彼の心を暗く覆うのは、やはり謎の死を遂げてしまった母と、冤罪で服役中の父のこと。

 

耐え難い思いを胸に、足を速めていたその瞬間、彼は時空を飛び越え、まだ母が健在だったころの時間に行き着く。そして、母の死を未然に防ぐことに成功。しかし、バリーが過去を変更したことによって、その世界線ではスーパーヒーローは存在せず、ジャスティスリーグも不在!

スーパーマンの宿敵ゾッド将軍の地球襲来が予測される中、スーパーヒーロー不在というピンチの中、バリーはこの世界線のバリー(母の死を乗り越えていない陽キャのバリー)とともに、唯一存在が確認できたブルース・ウェインバットマンに協力を依頼しに向かうが…。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

SF映画ではおなじみのタイムトラベルものである。代表的なタイムトラベル物といえば言わずもがなの「バック・トゥ・ザフューチャー」。日本だと「ドラえもん」も。古くはハインラインの「夏への扉」。

そして本作にも、マーベルから始まったコミックスの新しい概念「マルチバース」が描かれ、現実世界では誕生しなかった幻の作品(ニコラス・ケイジのスーパーマン)や、共演する予定でできなかったあの二人が登場する。

近年ではそこかしこにこの「マルチバース」の概念が使われるようになったけれど、かくいう私も実は「マルチバース」が何なのか詳しくはわかっていない……。むぅぅ。

 

そんな多分に過去のDC作品は元より、企画されたもののお蔵入りしてしまった幻の作品にまで言及し、大いにファンを盛り上げてくれた本作! 長年のファンなら感涙ものの展開だろう。

 

しかし、本作の魅力は、そんなファンサービスだけに留まらない。

この映画、見た目とは裏腹に実は脚本にこそ大きな魅力があるのだ。とにかくストーリーが良い。

 

皆様は気が付かなかっただろうか? 

「バック・トゥ・ザフューチャー」や「ドラえもん」など、タイムトラベル物に矛盾はつきものではあるのだが、その中でも、根本と言っても良い疑問に。

 

「君たちの都合で、未来を変えるのは許されるのか?」

 

上記に挙げた、タイムトラベル物の名作だが、いずれも主人公の都合で未来が変更され、彼らは幸せになる……、なるけどさ、でも、それで不幸になる人々だっているはずでしょ?

起こるべくして起こってしまった出来事に、力を持った人間が変更を加え、自分たちだけが幸せになる。そんなことは許されるのか? 自分勝手で無責任なだけではないか?

 

この問いに対して、フラッシュ=バリーは真正面から対峙することになる。「母の死」を経験することなく過ごした「陽キャのバリー」は「誰も死なせない!」と作中誰よりもヒロイックな心意気をもって戦うが、幾多の試練を乗り越えた主人公・バリーは、それとはまた別の決断をすることとなる。

 

前作「ジャスティリーグ」ではメンバーの中では若手で、精神的には戦士には向かない、臆病で多弁なバリー。作中でも、「いつも雑用が僕の仕事だ」と小言を言う場面もある。それでも、これまでの幾多の戦いの中で、彼は試練を乗り越えてきた。彼の最後の決断には、これまでの葛藤や「心に傷を負ったヒーロー」としての在り方がよく反映されていた。自らの運命を受け入れ、それでもなお今の自分を肯定すること。ヒーローはそうした葛藤から生まれるのではないか。そんなことを思った。

 

本作ではベン・アフレックバットマン(通称:Batfleck)も再登場。前作「ジャスティスリーグ」の時とは違い、「同じ傷を持つもの」として、または「良い兄貴分」としてバリーと接する感じも見ていて心温まる。そして、序盤のガジェット満載のカーチェイスシーンでもド派手なアクションをブチかましてくれる!

 

バットマンVSスーパーマン」の暗さから解放され、すっかり良い兄貴になった「Batfleck」さんでした。

 

スーパーガール役のサッシャ・カジェも見逃せない。シュッとしたスタイリングでキュートなのにカッコいい新たなスーパーガールを演じている。ネットで調べていても「サッシャのスーパーガールは大当たり」と出る、その人気の高さが伺える。

 

現代的なスーパーガールを演じたサッシャ・カゼ。再演希望の声が続々!

 

 

 

そして、個人的には本作の最大の目玉だったキートンバットマン様!

 

先日、誕生日を迎えて72歳になられたキートン御大! 年齢を重ねても最高なバッツを演じてくれました!

 

もう最高! 70歳でバットスーツを着てくれるなんて最高としか言いようがない!!

キートンバットマンもとよりティム・バートン監督の「バットマン」(89)についてはまた別記事で書こうと思う。何せ思い入れが強すぎてここでは書ききれない。

 

 

 

最高のエンタテインメント映画だった本作「ザ・フラッシュ」。楽しませるだけでなく、しっかりと考えさせてくれる良作だった。

 

だが、DCファンなら知っている笑えない裏事情が諸々……。

興行的には「フラッシュ」の知名度の低さなのか、惨敗。。。みんな大好きバットマンが2パターン以上(最後にあの方も!)出ているというのに。

 

バリー役のエズラ・ミラーも、酒癖の悪さから諸々事件を起こしまくる素行の悪さ…。詳しくはエズラwikiを。

 

赤字が続くDCは経営陣を新体制に変更、伴って進行中だった企画をお蔵入りさせまくるという暴挙に出る。キートンバットマンをもっと見たかった私だけれど、きっと本作も赤字なのでもう新作でキートン様を見ることは叶わないだろう。

わかっている、映画はビジネスだしお金がすべてだ。でも、こんなに客入り少ないなんて納得いかないよ。本当に面白かったんだよ?

 

というか、DCファンって意外に少ないよね?! みんなマーベルばっかり見てないで、たまにはDC見ようぜ!!

 

最後は愚痴になってしまったが、今後のDC作品がどうなってしまうかは、やっぱりファンの応援にかかってるんだと思う。ちゃんとお金使って推しを応援しないと、続編が作られなくなるんだな、と肌で実感している。これからも、バッツを応援していきたい。

 

let`s get nuts!

 

 

 

 

近況。架空アニソン祭とボカコレ2023夏のこと。

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたが、元気に過ごしています。

最近は仕事のほうが割に忙しく、更新できておりませんでした。

自分が副業で働いている職場(介護講師業)にテレビの取材が入ったり、普段の仕事では2年ぶりに夜勤業務を再開させたり。

 

忙しい中でも、英語の勉強やギターの練習はほぼ毎日行っている。

加えて、運動不足解消のため寝る前にストレッチと軽い筋トレを始めたりとルーティンが増えた。

そんな感じでブログに気が回らなかったのですが、相変わらず細々とと音楽活動もしているので、経過報告をしたいと思います。

 

まずは遡って6月、架空アニソン祭りに参加しました。

今回は私は、ボーカルを務めるカヤPさんのチームにて作曲を担当しました。イラストは「ミシェルがみてる」さん。

 

 

 

 

 

 

 


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往年のジャンプアニメテイストのオープニングを想定して作曲、というわけでもなく、実は楽曲自体は20年位前に考えていたもの。当時持っていたカセットテープのMTRに録音していたものを新たに現在の機材で録音しなおした。ゴリゴリのロックな音源ですな。

カヤPさんがメロディと歌詞をつけてくださった。二つとも、私が到底思いつけないような動きのある旋律や、親しみのある言葉を付けてくださるので、楽曲が一気に華やかになる。誰かと曲を作る醍醐味って、こういう風に自分にないものを足してもらえることだと感じる。

「ミシェルがみてる」さんのイラストもジャンプアニメあるあるな要素が詰まっていて楽しい。

 

 

 

もう一つは、これまたカヤPさん絡み。

ボカコレ2023夏にて、カヤPさんお楽曲「アオムシノユメ」にてギタリストとして参加させていただきました。

 

 

 

 

 

 


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こちらも幻想的な一曲。クリーントーンのギターにコーラスエフェクトをかけて録音した。浮遊感と透明感が出たと思う。ギターソロパートまで用意していただき、ありがたい限りです。

胡蝶の夢、青虫、中華旋律、ラップと、一見すると纏まりのないものをミックスさせるセンスに脱帽です。素晴らしい。

イラストの沓沢イヲさんも幻想的でかわいらしい作品を描かれていますね。三者が見事に調和した作品。

 

以上、活動報告でした。

 

自分の楽曲や投稿についてはまだ未定。でも、自分の作品でなくてもカヤPさんの作品をはじめとして、どなたかの作品にかかわれることはとてもありがたいことと感じる。

9月中はまだ忙しい日々が続くが、乗り切ってまた創作ライフを楽しみたい。

あと一か月頑張るぞ。

 

「audiostock」にて、久々に新作BGMをアップしました。

 

 

 

 

 

 


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久々の音楽制作となってしまいました。皆様お元気ですか?

 

表題の通り、「audiostock」にて新作BGMの販売を開始しました。

今回はエスニックフルートとピアノ、ストリングスを用いた、壮大なバラード曲です。東アジア的なメロディがウリの本作。VLOGや歴史解説動画、アニメ、ゲームのBGMなどなど、幅広い用途にお使い頂けます。

 

 

ご購入はこちらから!

 

audiostock.jp

 

 

 

動画について。

昨年の11月、いつもお世話になっているNS製作所さんのご案内で、宮崎熊本旅行に連れて行っていただいた。宮崎は日本神話「古事記」の舞台となった場所が数多く現存する神秘的な空間だった。切り立った高千穂峡や天野岩戸神社の風景は、自然の雄大さを感じた。人間が作り出すことができない風景がそこかしこに存在する。

熊本の池山水源、上色見熊野座神社は雨の中での訪問だったが、その雨がまた日本的な風景に拍車をかけ、より神秘的な空間を演出していた。特に雨の上色見熊野座神社の風景は「異界」そのものだった。「いる」。そんな風に思った。

 

いつか近いうちに旅のレポートを書きたいと思っている。ただ、そう思いながらももう半年経っている。なかなか纏まらない。それはやはり、あの旅が自分にとって大きすぎる体験だったからだと思う。東京での日々からは想像もつかないような異空間。飛行機を利用しての二日間の旅だったが、今思い出しても不思議な感覚だ。あの旅行自体が異界への冒険だったのかもしれない。

 

そんなわけで、改めましてご利用おまちしております!

 

 

シン仮面ライダーを観た! 荒唐無稽という名の、懐の深さについて。

 

やっぱりどうしたって二大ライダーのそろい踏みには胸が熱くなるよね。

 

平日の昼間なのに、館内はほぼ満員! ウルトラマンと並ぶ、日本を代表する一大コンテンツの一つである我らが仮面ライダー。上映前、心躍った筆者である。

 

初代「仮面ライダー」に関しては、私は子供の頃の夏休みに全話を一挙に鑑賞して夢中になった。前半のおどろおどろしく、サスペンス風味の展開から、後半の二号ライダー参戦、ネオショッカーの台頭によるバラエティ豊かな展開に胸が躍ったのを覚えている。さて、シンウルトラマンを経て今回はシン仮面ライダーである。どんな戦いを見せてくれるのか!

 

感想を書く前に、軽く私の「仮面ライダー観」を書いておく。

私が思う「仮面ライダー」というのは、主に昭和ライダーのことである。平成以降は先日の「BLACK SUN」以外は未見。とりわけフェイバリットなライダーは一号二号、V3、Xライダー、BLACK、RXである。令和の今、ライダーたちがどんな環境で戦っているのかは全くもって不明だが、私が影響を受けた昭和期のライダーというのは「荒唐無稽」の一言だった。

 

ショッカーという組織は、あんなにも科学者が山ほどいるし設備も整っているのに、誘拐のために使用する車が練馬ナンバーだったりする。わざわざ車検通してんのよ。誘拐、殺人、人体実験の悪事の数々をこなす悪の組織がさ。車検通しに行ってんのよ。笑うよそんなの。

 

デストロンという組織は、自分の敵であるライダーV3に年賀状を送ってたりする。アジトわかってんだから強襲すりゃ良いものを。

 

BLACKの敵組織、ゴルゴムはある日、町中に流通しているマグロを全て買い占めてしまう。なんか、よく覚えてないけど、マグロに含まれているエキスが欲しかったんじゃなかったかな。

 

そんな感じで、悪の組織の手先である怪人はいつもライダーの住まい近所の喫茶店周辺で悪事を働き、ライダーに見つかり、どこかの採石場や工場跡地で蹴られて爆散する。毎度殆どこれの繰り返し。

 

同世代のヒーロー「ウルトラマン」と比べたら、だいぶメッセージ性が薄く、エンタメに振り切りまくっていたり、設定上の詰めの甘さが目立ったり、もう面白くて仕方ない。

 

でも、そんな荒唐無稽さを全て落とし込める「コンテンツとしての強さ」が、ライダーにはあるのだ。第一、考えてみれば「ライダー」のルックも可笑しい。バッタをモチーフにした目の大きい被り物である。今まで見慣れすぎて気が付かなかったけど、よく見たら面白可笑しい見た目だ。それが正義のヒーローとして、詰めの甘すぎる組織と戦う。

考えてみたら変な話なんだけど、それこそが魅力なわけである。

よく考えたら、変な見た目なんだよね。元が怪人だからか?

 

 

で、シン仮面ライダーの話である。

 

色々と、すんなりと受け入れられにくい部分は多々ある。まずは登場人物たちの実在感の無さ。

庵野監督がそもそもアニメーション作品の監督なのもあり、どうも毎回登場人物が戯画化されていてマンガチックで、実写でやると不自然さが残る。とりわけ、緑川ルリ子に関してはどうしても「エヴァンゲリオン」のアスカを想起させられる。

キャラクターたちの行動理念や動機についても、もう少し深堀が必要と感じる。

あとは、CGについて。これはシンウルトラマンの時も感じたことだが、どうしてもチープに感じる。仕方ないのはわかっている。予算がないのだから。現場の方々のせいではないし、日本映画に関してはそれでも十分すぎるくらい健闘していらっしゃるのがわかる。

蝙蝠オーグとの戦闘も、やはりチープに感じる。敵が「ヒャッハー!」って高笑いする描写も、そろそろいかがなものかと思う。わかりやすいとはいえ、ちょっと幼稚にすら感じる。

 

で、上記した内容は全部愚痴なんだけど、

 

全部、全部チャラ!!

 

何も問題無いです!

 

だってこれ、ライダーじゃん! 荒唐無稽、目立つ粗さ! 全部オッケー!

そうやってライダーは、昭和の時代から今にいたるまでそうやって物語を紡いできたんだよ!

 

「キャラクターの表現が云々」とか「ストーリーの深みが云々」という映画的な批評っていうのは、ライダーにはほぼ通用しない。だって、そういうコンテンツじゃないから。

ライダーが敵を殴る蹴る、投げ飛ばす! 大事なのはそれを見て、あなたが熱くなれたかどうかなのである。

 

粗削り、オッケー!

深みが無い、オッケー!

詰めが甘い、それも良し!

 

それこそがライダーなのだ! われらがライダー、ここにあり!

 

そんな中でも、感動した箇所もいくつもあった。

ショッカーという組織の新解釈(AI的な解釈)も、テレビ版でもすでに似たような組織であったため違和感はない。そう考えると、ショッカーっていう組織は時代の先を行ってたよね。

役者たちが演じる泥臭い戦闘シーンも、やはりテレビ版をよく踏襲されていることがよく分かった。飛んだり跳ねたり回ったり、「ああ、ケガしそう!」って毎回観ててハラハラするんですよね。

ロケ撮影の荘厳さ、カメラアングルの絵作りにも感動させられた。とりわけ、ドローン空撮で見るライダーの世界は真新しさを覚えた。ライダーの伝統はやはりロケ撮影なのだ。奥多摩やダム、富士山の麓、鉄道レール、トンネル、海を渡る橋など、絶景の中にいるライダーはそれだけで絵になる。

 

あとは、庵野監督の作家性も、久しぶりに垣間見れたことも大きかった。

本郷猛の朴訥な話し方や、服を着替えないので体臭がする描写などを見れば、この主人公が監督自身の投影であることはすぐにわかる。そして、終盤に明かされる父との関係性や母に対する思い、「人の気持ちがわからない」というエヴァから描かれてきた心の問題も、再度提示される。恐らく庵野監督は、これかもずっとこれらの命題を元に作品を作り続けるのだろう。ゴッホがひまわりの絵を描き続けたように。

 

以上、シン仮面ライダーについて書いてみた。

色々ヘンテコな世界ではあるが、それこそがライダー! 

 

ぜひ劇場へ! ご期待ください!

 

ボカロオルタナティブ祭、ボカコレ2023春のこと。

 

2月25日、ニコニコ動画にてボカロPの「Aroh」さん主催の「ボカロオルタナティブ祭」に参加しました。

以下にリンクを張ります。

 

 

 

 

 

 

NIGHTHAWKS」とは夜鷹のこと。英語では「夜更かしする人々」を意味する。

アメリカの画家、エドワード・ホッパーの作品に同名のものがあり、そこから拝借した。

 

独特な色彩感を持つ、ホッパーの名画。いつか本物を見てみたい。

 

サウンド的には、私の大好きなアメリカン・オルタナティブロックのテイストを全面に出した。スマッシング・パンプキンズニルヴァーナ。自分の中で、特に無理せずに自然に出てくる音楽とはこういうものだったりする。無理もない。両バンド共、若い頃に聴きすぎるくらいに聴いた。というか、今も聴いている。

とりわけ、スマパンに関しては、決して明るくなかった自分の青春時代を支えてくれた音楽。どうしたって嫌いになれない。

 

曲の世界観に関しては、最近はSF小説家のウィリアム・ギブスンの本をよく読んでいるので、それが無意識に出ている。ハードボイルドな文体で、登場人物の心理描写を極力排し、飽くまで情景と展開だけで物語を引っ張っていくスタイル。

最近の日本の小説は心理描写が多くて、湿っぽくてメソメソしている感じがどうも好きになれない。その点、ギブスンの乾ききった文体は潔くてクールだ。カミソリみたいにバサバサ切れる文体表現。

ギブスンの小説については、今では絶版となっているものばかりなので、私はわざわざネットで中古で探して取り寄せて読んでる。面白いので、また再評価されてほしいものです。

 

歌詞について書く。まずは新宿について。

仕事の都合で月に数回ほど新宿には行くのだけれど、去年の年末の仕事帰りに妻と一緒に西口のレストランで食事をした。その帰りに新宿の街を久しぶりにウロウロと歩いていたのだけれど、その時に曲のイメージが固まった。

西口方面から、富裕層が住んでいるエリアへ。「縁のない街だな」なんて考えながら二人で御苑方面まで歩いた。

昔は、都心にあこがれを持っていた著者である。その当時の心境も少なからず反映していると思う。

学生の頃は新宿や池袋なんかで、友人たちと夜通し飲めない酒を見栄で無理やり飲んで、頭痛と吐き気に不快感を覚えながら過ごしたものだった。

0時ころにカラオケに行って朝まで歌い続け、始発が来る頃に駅へと向かう。寒いし、頭痛はするし、吐き気もする、早く始発来んかいな、と心の中で悪態をつく。

しばらくすると、駅のホームに朝日が昇る。さえづりはじめる鳥たちが、私の足元でエサを探している。徐々に明るくなっていく空。昇る朝日を見ながら、私は「ああ、やべえ、死にたすぎる」と思い、ポケットから煙草を取り出して火をつける。当時は、駅のホームにも灰皿があったんだよね。

 

 

若さってくだらない。夜通し酒飲んで遊ぶとか、今思えば何が面白かったのやら…。あんなんしんどいだけやんけ。

その時の気分が歌詞に表れていると思う。

ついでに白状すると、最後の歌詞の「so, I lit fire.」ってフレーズは、ビートルズの「ノルウェイの森」からのオマージュ。

 

そして、

 

話しは変わって、

 

毎回投稿参加していた「ボカコレ」ですが、私「極楽蝶P」は今回投稿参加を見送ることにしました。

その代わり、ギタリストとしてカヤPさんの新曲のお手伝いをさせていただいております。

 

 

 

しっとりとしたラウンジジャズテイストの一曲。

フェンダージャズマスターというギターを使って録音したのだけれど、音のこもり具合が自分でもとても気に入っている。

ジャズマスターというギターは、その名前のわりにとても不遇なことに、ジャズギタリストには殆ど使用されなかったギターだ。けれど、こうやって音色と弾き方にこだわって使ってみると、ジャズっぽい曲にも十分対応できることがわかる。

とても良い音色、聞き心地が良い。

 

カヤPさんの楽曲も、ラウンジ感があってオシャレでありながら、哀愁と切なさが同居している。よく耳を澄ますと、様々な音色が鳴っていることに気が付く。奥深い曲だ。

 

以上二曲。とりあえず活動報告。

これからも、音楽に関しては自分のペースを崩さずに活動、参加していきます。