極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

9月16日は「BATMAN DAY」なので、バットマン出演最新作「ザ・フラッシュ」について書いてみる。

 

 

 

 

鑑賞からだいぶ経ってしまったが、改めてレビューをば!

 

 

 

思わぬ感動作となった映画「ザ・フラッシュ」!

 

 

来る9月16日はなんと「BATMAN DAY」なのだそうな。そんなわけでバットマンに心を奪われて久しい私も、この機会にバットマンの話をしてみようと思う。

 

まずはバットマン出演最新作「ザ・フラッシュ」のこと。

 

DCコミックの最速スーパーヒーロー・フラッシュの初主演映画である。

 

 

 

あらすじ

事態の収拾に向かう二人のバリー・アレンことフラッシュ。

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母を殺害され、父がその冤罪を着せられて服役中という、二重の不幸を背負って大人になった主人公バリー・アレン。彼は実は正義のスーパーヒーロー軍団「ジャスティスリーグ」のメンバー「フラッシュ」その人だった。

ヒーローとして幾多の困難を乗り越えたバリーは、リーグの中では前線に立つときは少ないものの、頼れるレスキュー要員として確かに成長していたのだった。

 

しかし、ふとした時に彼の心を暗く覆うのは、やはり謎の死を遂げてしまった母と、冤罪で服役中の父のこと。

 

耐え難い思いを胸に、足を速めていたその瞬間、彼は時空を飛び越え、まだ母が健在だったころの時間に行き着く。そして、母の死を未然に防ぐことに成功。しかし、バリーが過去を変更したことによって、その世界線ではスーパーヒーローは存在せず、ジャスティスリーグも不在!

スーパーマンの宿敵ゾッド将軍の地球襲来が予測される中、スーパーヒーロー不在というピンチの中、バリーはこの世界線のバリー(母の死を乗り越えていない陽キャのバリー)とともに、唯一存在が確認できたブルース・ウェインバットマンに協力を依頼しに向かうが…。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

SF映画ではおなじみのタイムトラベルものである。代表的なタイムトラベル物といえば言わずもがなの「バック・トゥ・ザフューチャー」。日本だと「ドラえもん」も。古くはハインラインの「夏への扉」。

そして本作にも、マーベルから始まったコミックスの新しい概念「マルチバース」が描かれ、現実世界では誕生しなかった幻の作品(ニコラス・ケイジのスーパーマン)や、共演する予定でできなかったあの二人が登場する。

近年ではそこかしこにこの「マルチバース」の概念が使われるようになったけれど、かくいう私も実は「マルチバース」が何なのか詳しくはわかっていない……。むぅぅ。

 

そんな多分に過去のDC作品は元より、企画されたもののお蔵入りしてしまった幻の作品にまで言及し、大いにファンを盛り上げてくれた本作! 長年のファンなら感涙ものの展開だろう。

 

しかし、本作の魅力は、そんなファンサービスだけに留まらない。

この映画、見た目とは裏腹に実は脚本にこそ大きな魅力があるのだ。とにかくストーリーが良い。

 

皆様は気が付かなかっただろうか? 

「バック・トゥ・ザフューチャー」や「ドラえもん」など、タイムトラベル物に矛盾はつきものではあるのだが、その中でも、根本と言っても良い疑問に。

 

「君たちの都合で、未来を変えるのは許されるのか?」

 

上記に挙げた、タイムトラベル物の名作だが、いずれも主人公の都合で未来が変更され、彼らは幸せになる……、なるけどさ、でも、それで不幸になる人々だっているはずでしょ?

起こるべくして起こってしまった出来事に、力を持った人間が変更を加え、自分たちだけが幸せになる。そんなことは許されるのか? 自分勝手で無責任なだけではないか?

 

この問いに対して、フラッシュ=バリーは真正面から対峙することになる。「母の死」を経験することなく過ごした「陽キャのバリー」は「誰も死なせない!」と作中誰よりもヒロイックな心意気をもって戦うが、幾多の試練を乗り越えた主人公・バリーは、それとはまた別の決断をすることとなる。

 

前作「ジャスティリーグ」ではメンバーの中では若手で、精神的には戦士には向かない、臆病で多弁なバリー。作中でも、「いつも雑用が僕の仕事だ」と小言を言う場面もある。それでも、これまでの幾多の戦いの中で、彼は試練を乗り越えてきた。彼の最後の決断には、これまでの葛藤や「心に傷を負ったヒーロー」としての在り方がよく反映されていた。自らの運命を受け入れ、それでもなお今の自分を肯定すること。ヒーローはそうした葛藤から生まれるのではないか。そんなことを思った。

 

本作ではベン・アフレックバットマン(通称:Batfleck)も再登場。前作「ジャスティスリーグ」の時とは違い、「同じ傷を持つもの」として、または「良い兄貴分」としてバリーと接する感じも見ていて心温まる。そして、序盤のガジェット満載のカーチェイスシーンでもド派手なアクションをブチかましてくれる!

 

バットマンVSスーパーマン」の暗さから解放され、すっかり良い兄貴になった「Batfleck」さんでした。

 

スーパーガール役のサッシャ・カジェも見逃せない。シュッとしたスタイリングでキュートなのにカッコいい新たなスーパーガールを演じている。ネットで調べていても「サッシャのスーパーガールは大当たり」と出る、その人気の高さが伺える。

 

現代的なスーパーガールを演じたサッシャ・カゼ。再演希望の声が続々!

 

 

 

そして、個人的には本作の最大の目玉だったキートンバットマン様!

 

先日、誕生日を迎えて72歳になられたキートン御大! 年齢を重ねても最高なバッツを演じてくれました!

 

もう最高! 70歳でバットスーツを着てくれるなんて最高としか言いようがない!!

キートンバットマンもとよりティム・バートン監督の「バットマン」(89)についてはまた別記事で書こうと思う。何せ思い入れが強すぎてここでは書ききれない。

 

 

 

最高のエンタテインメント映画だった本作「ザ・フラッシュ」。楽しませるだけでなく、しっかりと考えさせてくれる良作だった。

 

だが、DCファンなら知っている笑えない裏事情が諸々……。

興行的には「フラッシュ」の知名度の低さなのか、惨敗。。。みんな大好きバットマンが2パターン以上(最後にあの方も!)出ているというのに。

 

バリー役のエズラ・ミラーも、酒癖の悪さから諸々事件を起こしまくる素行の悪さ…。詳しくはエズラwikiを。

 

赤字が続くDCは経営陣を新体制に変更、伴って進行中だった企画をお蔵入りさせまくるという暴挙に出る。キートンバットマンをもっと見たかった私だけれど、きっと本作も赤字なのでもう新作でキートン様を見ることは叶わないだろう。

わかっている、映画はビジネスだしお金がすべてだ。でも、こんなに客入り少ないなんて納得いかないよ。本当に面白かったんだよ?

 

というか、DCファンって意外に少ないよね?! みんなマーベルばっかり見てないで、たまにはDC見ようぜ!!

 

最後は愚痴になってしまったが、今後のDC作品がどうなってしまうかは、やっぱりファンの応援にかかってるんだと思う。ちゃんとお金使って推しを応援しないと、続編が作られなくなるんだな、と肌で実感している。これからも、バッツを応援していきたい。

 

let`s get nuts!

 

 

 

 

近況。架空アニソン祭とボカコレ2023夏のこと。

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたが、元気に過ごしています。

最近は仕事のほうが割に忙しく、更新できておりませんでした。

自分が副業で働いている職場(介護講師業)にテレビの取材が入ったり、普段の仕事では2年ぶりに夜勤業務を再開させたり。

 

忙しい中でも、英語の勉強やギターの練習はほぼ毎日行っている。

加えて、運動不足解消のため寝る前にストレッチと軽い筋トレを始めたりとルーティンが増えた。

そんな感じでブログに気が回らなかったのですが、相変わらず細々とと音楽活動もしているので、経過報告をしたいと思います。

 

まずは遡って6月、架空アニソン祭りに参加しました。

今回は私は、ボーカルを務めるカヤPさんのチームにて作曲を担当しました。イラストは「ミシェルがみてる」さん。

 

 

 

 

 

 

 


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往年のジャンプアニメテイストのオープニングを想定して作曲、というわけでもなく、実は楽曲自体は20年位前に考えていたもの。当時持っていたカセットテープのMTRに録音していたものを新たに現在の機材で録音しなおした。ゴリゴリのロックな音源ですな。

カヤPさんがメロディと歌詞をつけてくださった。二つとも、私が到底思いつけないような動きのある旋律や、親しみのある言葉を付けてくださるので、楽曲が一気に華やかになる。誰かと曲を作る醍醐味って、こういう風に自分にないものを足してもらえることだと感じる。

「ミシェルがみてる」さんのイラストもジャンプアニメあるあるな要素が詰まっていて楽しい。

 

 

 

もう一つは、これまたカヤPさん絡み。

ボカコレ2023夏にて、カヤPさんお楽曲「アオムシノユメ」にてギタリストとして参加させていただきました。

 

 

 

 

 

 


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こちらも幻想的な一曲。クリーントーンのギターにコーラスエフェクトをかけて録音した。浮遊感と透明感が出たと思う。ギターソロパートまで用意していただき、ありがたい限りです。

胡蝶の夢、青虫、中華旋律、ラップと、一見すると纏まりのないものをミックスさせるセンスに脱帽です。素晴らしい。

イラストの沓沢イヲさんも幻想的でかわいらしい作品を描かれていますね。三者が見事に調和した作品。

 

以上、活動報告でした。

 

自分の楽曲や投稿についてはまだ未定。でも、自分の作品でなくてもカヤPさんの作品をはじめとして、どなたかの作品にかかわれることはとてもありがたいことと感じる。

9月中はまだ忙しい日々が続くが、乗り切ってまた創作ライフを楽しみたい。

あと一か月頑張るぞ。

 

「audiostock」にて、久々に新作BGMをアップしました。

 

 

 

 

 

 


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久々の音楽制作となってしまいました。皆様お元気ですか?

 

表題の通り、「audiostock」にて新作BGMの販売を開始しました。

今回はエスニックフルートとピアノ、ストリングスを用いた、壮大なバラード曲です。東アジア的なメロディがウリの本作。VLOGや歴史解説動画、アニメ、ゲームのBGMなどなど、幅広い用途にお使い頂けます。

 

 

ご購入はこちらから!

 

audiostock.jp

 

 

 

動画について。

昨年の11月、いつもお世話になっているNS製作所さんのご案内で、宮崎熊本旅行に連れて行っていただいた。宮崎は日本神話「古事記」の舞台となった場所が数多く現存する神秘的な空間だった。切り立った高千穂峡や天野岩戸神社の風景は、自然の雄大さを感じた。人間が作り出すことができない風景がそこかしこに存在する。

熊本の池山水源、上色見熊野座神社は雨の中での訪問だったが、その雨がまた日本的な風景に拍車をかけ、より神秘的な空間を演出していた。特に雨の上色見熊野座神社の風景は「異界」そのものだった。「いる」。そんな風に思った。

 

いつか近いうちに旅のレポートを書きたいと思っている。ただ、そう思いながらももう半年経っている。なかなか纏まらない。それはやはり、あの旅が自分にとって大きすぎる体験だったからだと思う。東京での日々からは想像もつかないような異空間。飛行機を利用しての二日間の旅だったが、今思い出しても不思議な感覚だ。あの旅行自体が異界への冒険だったのかもしれない。

 

そんなわけで、改めましてご利用おまちしております!

 

 

シン仮面ライダーを観た! 荒唐無稽という名の、懐の深さについて。

 

やっぱりどうしたって二大ライダーのそろい踏みには胸が熱くなるよね。

 

平日の昼間なのに、館内はほぼ満員! ウルトラマンと並ぶ、日本を代表する一大コンテンツの一つである我らが仮面ライダー。上映前、心躍った筆者である。

 

初代「仮面ライダー」に関しては、私は子供の頃の夏休みに全話を一挙に鑑賞して夢中になった。前半のおどろおどろしく、サスペンス風味の展開から、後半の二号ライダー参戦、ネオショッカーの台頭によるバラエティ豊かな展開に胸が躍ったのを覚えている。さて、シンウルトラマンを経て今回はシン仮面ライダーである。どんな戦いを見せてくれるのか!

 

感想を書く前に、軽く私の「仮面ライダー観」を書いておく。

私が思う「仮面ライダー」というのは、主に昭和ライダーのことである。平成以降は先日の「BLACK SUN」以外は未見。とりわけフェイバリットなライダーは一号二号、V3、Xライダー、BLACK、RXである。令和の今、ライダーたちがどんな環境で戦っているのかは全くもって不明だが、私が影響を受けた昭和期のライダーというのは「荒唐無稽」の一言だった。

 

ショッカーという組織は、あんなにも科学者が山ほどいるし設備も整っているのに、誘拐のために使用する車が練馬ナンバーだったりする。わざわざ車検通してんのよ。誘拐、殺人、人体実験の悪事の数々をこなす悪の組織がさ。車検通しに行ってんのよ。笑うよそんなの。

 

デストロンという組織は、自分の敵であるライダーV3に年賀状を送ってたりする。アジトわかってんだから強襲すりゃ良いものを。

 

BLACKの敵組織、ゴルゴムはある日、町中に流通しているマグロを全て買い占めてしまう。なんか、よく覚えてないけど、マグロに含まれているエキスが欲しかったんじゃなかったかな。

 

そんな感じで、悪の組織の手先である怪人はいつもライダーの住まい近所の喫茶店周辺で悪事を働き、ライダーに見つかり、どこかの採石場や工場跡地で蹴られて爆散する。毎度殆どこれの繰り返し。

 

同世代のヒーロー「ウルトラマン」と比べたら、だいぶメッセージ性が薄く、エンタメに振り切りまくっていたり、設定上の詰めの甘さが目立ったり、もう面白くて仕方ない。

 

でも、そんな荒唐無稽さを全て落とし込める「コンテンツとしての強さ」が、ライダーにはあるのだ。第一、考えてみれば「ライダー」のルックも可笑しい。バッタをモチーフにした目の大きい被り物である。今まで見慣れすぎて気が付かなかったけど、よく見たら面白可笑しい見た目だ。それが正義のヒーローとして、詰めの甘すぎる組織と戦う。

考えてみたら変な話なんだけど、それこそが魅力なわけである。

よく考えたら、変な見た目なんだよね。元が怪人だからか?

 

 

で、シン仮面ライダーの話である。

 

色々と、すんなりと受け入れられにくい部分は多々ある。まずは登場人物たちの実在感の無さ。

庵野監督がそもそもアニメーション作品の監督なのもあり、どうも毎回登場人物が戯画化されていてマンガチックで、実写でやると不自然さが残る。とりわけ、緑川ルリ子に関してはどうしても「エヴァンゲリオン」のアスカを想起させられる。

キャラクターたちの行動理念や動機についても、もう少し深堀が必要と感じる。

あとは、CGについて。これはシンウルトラマンの時も感じたことだが、どうしてもチープに感じる。仕方ないのはわかっている。予算がないのだから。現場の方々のせいではないし、日本映画に関してはそれでも十分すぎるくらい健闘していらっしゃるのがわかる。

蝙蝠オーグとの戦闘も、やはりチープに感じる。敵が「ヒャッハー!」って高笑いする描写も、そろそろいかがなものかと思う。わかりやすいとはいえ、ちょっと幼稚にすら感じる。

 

で、上記した内容は全部愚痴なんだけど、

 

全部、全部チャラ!!

 

何も問題無いです!

 

だってこれ、ライダーじゃん! 荒唐無稽、目立つ粗さ! 全部オッケー!

そうやってライダーは、昭和の時代から今にいたるまでそうやって物語を紡いできたんだよ!

 

「キャラクターの表現が云々」とか「ストーリーの深みが云々」という映画的な批評っていうのは、ライダーにはほぼ通用しない。だって、そういうコンテンツじゃないから。

ライダーが敵を殴る蹴る、投げ飛ばす! 大事なのはそれを見て、あなたが熱くなれたかどうかなのである。

 

粗削り、オッケー!

深みが無い、オッケー!

詰めが甘い、それも良し!

 

それこそがライダーなのだ! われらがライダー、ここにあり!

 

そんな中でも、感動した箇所もいくつもあった。

ショッカーという組織の新解釈(AI的な解釈)も、テレビ版でもすでに似たような組織であったため違和感はない。そう考えると、ショッカーっていう組織は時代の先を行ってたよね。

役者たちが演じる泥臭い戦闘シーンも、やはりテレビ版をよく踏襲されていることがよく分かった。飛んだり跳ねたり回ったり、「ああ、ケガしそう!」って毎回観ててハラハラするんですよね。

ロケ撮影の荘厳さ、カメラアングルの絵作りにも感動させられた。とりわけ、ドローン空撮で見るライダーの世界は真新しさを覚えた。ライダーの伝統はやはりロケ撮影なのだ。奥多摩やダム、富士山の麓、鉄道レール、トンネル、海を渡る橋など、絶景の中にいるライダーはそれだけで絵になる。

 

あとは、庵野監督の作家性も、久しぶりに垣間見れたことも大きかった。

本郷猛の朴訥な話し方や、服を着替えないので体臭がする描写などを見れば、この主人公が監督自身の投影であることはすぐにわかる。そして、終盤に明かされる父との関係性や母に対する思い、「人の気持ちがわからない」というエヴァから描かれてきた心の問題も、再度提示される。恐らく庵野監督は、これかもずっとこれらの命題を元に作品を作り続けるのだろう。ゴッホがひまわりの絵を描き続けたように。

 

以上、シン仮面ライダーについて書いてみた。

色々ヘンテコな世界ではあるが、それこそがライダー! 

 

ぜひ劇場へ! ご期待ください!

 

ボカロオルタナティブ祭、ボカコレ2023春のこと。

 

2月25日、ニコニコ動画にてボカロPの「Aroh」さん主催の「ボカロオルタナティブ祭」に参加しました。

以下にリンクを張ります。

 

 

 

 

 

 

NIGHTHAWKS」とは夜鷹のこと。英語では「夜更かしする人々」を意味する。

アメリカの画家、エドワード・ホッパーの作品に同名のものがあり、そこから拝借した。

 

独特な色彩感を持つ、ホッパーの名画。いつか本物を見てみたい。

 

サウンド的には、私の大好きなアメリカン・オルタナティブロックのテイストを全面に出した。スマッシング・パンプキンズニルヴァーナ。自分の中で、特に無理せずに自然に出てくる音楽とはこういうものだったりする。無理もない。両バンド共、若い頃に聴きすぎるくらいに聴いた。というか、今も聴いている。

とりわけ、スマパンに関しては、決して明るくなかった自分の青春時代を支えてくれた音楽。どうしたって嫌いになれない。

 

曲の世界観に関しては、最近はSF小説家のウィリアム・ギブスンの本をよく読んでいるので、それが無意識に出ている。ハードボイルドな文体で、登場人物の心理描写を極力排し、飽くまで情景と展開だけで物語を引っ張っていくスタイル。

最近の日本の小説は心理描写が多くて、湿っぽくてメソメソしている感じがどうも好きになれない。その点、ギブスンの乾ききった文体は潔くてクールだ。カミソリみたいにバサバサ切れる文体表現。

ギブスンの小説については、今では絶版となっているものばかりなので、私はわざわざネットで中古で探して取り寄せて読んでる。面白いので、また再評価されてほしいものです。

 

歌詞について書く。まずは新宿について。

仕事の都合で月に数回ほど新宿には行くのだけれど、去年の年末の仕事帰りに妻と一緒に西口のレストランで食事をした。その帰りに新宿の街を久しぶりにウロウロと歩いていたのだけれど、その時に曲のイメージが固まった。

西口方面から、富裕層が住んでいるエリアへ。「縁のない街だな」なんて考えながら二人で御苑方面まで歩いた。

昔は、都心にあこがれを持っていた著者である。その当時の心境も少なからず反映していると思う。

学生の頃は新宿や池袋なんかで、友人たちと夜通し飲めない酒を見栄で無理やり飲んで、頭痛と吐き気に不快感を覚えながら過ごしたものだった。

0時ころにカラオケに行って朝まで歌い続け、始発が来る頃に駅へと向かう。寒いし、頭痛はするし、吐き気もする、早く始発来んかいな、と心の中で悪態をつく。

しばらくすると、駅のホームに朝日が昇る。さえづりはじめる鳥たちが、私の足元でエサを探している。徐々に明るくなっていく空。昇る朝日を見ながら、私は「ああ、やべえ、死にたすぎる」と思い、ポケットから煙草を取り出して火をつける。当時は、駅のホームにも灰皿があったんだよね。

 

 

若さってくだらない。夜通し酒飲んで遊ぶとか、今思えば何が面白かったのやら…。あんなんしんどいだけやんけ。

その時の気分が歌詞に表れていると思う。

ついでに白状すると、最後の歌詞の「so, I lit fire.」ってフレーズは、ビートルズの「ノルウェイの森」からのオマージュ。

 

そして、

 

話しは変わって、

 

毎回投稿参加していた「ボカコレ」ですが、私「極楽蝶P」は今回投稿参加を見送ることにしました。

その代わり、ギタリストとしてカヤPさんの新曲のお手伝いをさせていただいております。

 

 

 

しっとりとしたラウンジジャズテイストの一曲。

フェンダージャズマスターというギターを使って録音したのだけれど、音のこもり具合が自分でもとても気に入っている。

ジャズマスターというギターは、その名前のわりにとても不遇なことに、ジャズギタリストには殆ど使用されなかったギターだ。けれど、こうやって音色と弾き方にこだわって使ってみると、ジャズっぽい曲にも十分対応できることがわかる。

とても良い音色、聞き心地が良い。

 

カヤPさんの楽曲も、ラウンジ感があってオシャレでありながら、哀愁と切なさが同居している。よく耳を澄ますと、様々な音色が鳴っていることに気が付く。奥深い曲だ。

 

以上二曲。とりあえず活動報告。

これからも、音楽に関しては自分のペースを崩さずに活動、参加していきます。

 

 

2023年 年頭所感

 

SNSをまったく更新しておりませんが、流行りの病に罹ることもなく元気に過ごしています。

最近は、音楽活動やSNSでの発信等よりも、英語の勉強に意識が向いている。

ので、各種更新がおろそかになってしまっている。

「DUO3.0」という名前の英単語、熟語帳を買って毎日1セクションずつ勉強しているのだけれど、これが実に面白い。これをやりだしてからシャドーイングAFNラジオのリスニングの際でも「あ!今の熟語聞き取れたぞ!」「意味がわかったかも!」と達成感を覚える場面が増えた。まだまだ長文で速度の速い話を聞き取れるわけではないけれど、しばらくはこの単語帳をボロボロになるまで使い倒そうと思う。

 

先日は大学共通テストの英語リーディングの問題を解いてみたのだけれど、結果は正答率6割程度だった。もう少しイケると思っていたので少しばかり落ち込んだけれど、めげずに頑張ろうと思う。

 

自分でも驚いている。こんなに勉強を「楽しい」と感じたのは生まれて初めてだ。

今にして思えば、高校生の時は毎日6時間もの間、ギターの練習やら曲作り、作詞、腹筋運動等に費やしていた著者である。

その6時間の熱意を、全て勉強に費やしていたら、私の人生も変わってたのかもな…なんて意味のないことを思ったりもする。

 

芸術で大成する人なんてのは全体の1パーセント以下だ。

それに対して、学歴等で平均以上の生活を手に入れている人々は全体の40パーセントくらいいるらしい。

つまり、ギターなんて弾いてないで勉強を頑張って結果を出した方がよっぽど良かったわけである。今になって気づいたが、まあ、それは言っても仕方がない。

 

そんなわけで今年は英語学習、講師の仕事等など、キャリアアップに焦点を絞って過ごそうと思う。資格取得も考えている。

机の上で過ごすことが多くなりそうだ。そんな一年も悪くないだろう。

 

皆さま、本年もよろしくお願いいたします!

 

 

DUO 3.0

DUO 3.0

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「仮面ライダーBLACK SUN」。赤軍派闘争、日本のダークサイドを描く!

 

 

生物的なルックがカッコいい「BLACK SUN」。

 

先月には10話全て観終わっていた。その後、今に至るまでこの作品のことを時折考えている。個人的には久しぶりに興奮とバイオレンスを堪能できる良作だった。「お涙頂戴」の感動ポルノ作品が多い現代コンテンツの中で、ここまで暴力に振り切った作品は久しぶりだった。

 

この作品のことを語る前に、私のこと(主に政治思想など)を書くことにする。この作品を観た方ならお分かりいただけると思うけれど、今回の「BLACK SUN」は政治色があまりに強すぎる。観客各々が抱いている政治思想によって評価が激変するのである。

 

観ていない方のために最初に書いておくが、この「仮面ライダーBLACK SUN」は左翼映画である。仮面ライダーを使って赤軍派闘争をやってしまったわけだ。論争は織り込み済み、というわけ。

 

amazon」のレビューを参照すれば、保守派の方々が怒りまくっている。まあ、怒っているのは保守派の方々だけでなく、物語の構成や展開そのものを受け入れられなかった方々も数多いのだけれど…。

そんなこともあり、念のため私の政治思想を書いていこうと思う。

 

私は基本的に政治に関しては中立でありたいと思っている。右翼でも左翼でもなく、信仰している宗教もない。特定の団体に所属することが性に合わないのもあるのだけれど、こういうのは外から眺めている方が色々と興味深かったりする。それぞれの団体が信じているものは何か、どういう行動原理で動くのか、理屈で分析することの方に興味が湧いてしまう。今回私がこの作品を楽しめたのは、そういった自分の性質があったからだと思う。

 

物語は人間と「怪人」と呼ばれる人々が暮らす日本が舞台。この「怪人」というのが在日コリアンの暗喩であることは言うまでもない。その怪人を作り出した731部隊、当時の首相の家系、宗教団体に似た怪人側の権力者等など、この国が抱えているダークサイドを全て描き切っている。

思えば、私(現38歳)の子供時代は、日本の近代史を振り返ることはタブーだった。それこそ赤軍派闘争や731部隊新興宗教についての系譜などは学校では絶対教えてもらうことはなかった。そういったものに興味があった私は、自分で図書館などで調べていくしかなかったのである。調べていく過程で、いつも信じられないような事実にぶち当たったものだった。日本が以前、世界最大のテロリスト排出国であったこと、民間人を対象にしたテロを初めて行ったのが赤軍派であったこと(テルアビブ空港のヤツ)、731部隊の所業、統一教会岸信介云々。

 

そういった事柄が、なぜ義務教育に組み込まれないのかはよく理解している。

あまりにも内容がショッキング。知りたくないことも多々あったからだ。

 

けど、「BLACK SUN」はそれをやってしまったのである。描き切ってしまった。

本当に驚愕の連続だった。

 

「え! 731部隊やっちゃうの!」

「ちょっと待て、これ、山岳ベース事件じゃん!」

「おいおい、内ゲバしすぎだろ!」

「ああ、こんなの某世襲の政治家さんじゃん!」

「政治と宗教の関係描くの早すぎねぇか! 予言書かよ!」

 

鑑賞中の一か月間は本当にこの物語に圧倒されていたし、白状すれば、完全に心を奪われていた自分がいた。

 

もちろん、この物語が完璧なものだったとは言い難い。

まず、登場人物の行動理念がわかりづらい。キャラクター全員心変わりするのが早すぎる。

例えば、自分の身内を殺した原因を作った奴を、簡単に許すなど、人物の心境がわかりかねる部分がかなりある。

悪役を完全に「悪」としてしか描いていない点も、現代的とは言えない。これは、メッセージを伝えるために敢えて一面的にしか描かなかったのだろうけれど、悪役には悪役で、彼らが抱える事情というものがある。

序盤の戦闘シーンについても、予算不足が見てとれる。ハリウッド映画に慣れきった人間からしてみると、残念な描写が多々あったのも事実だ。でも、これは現場のスタッフのせいではなくて、日本映画業界全体が抱えている問題なのだろう。もっと予算あげてくれ…。仮面ライダーとかウルトラマンとかゴジラとか、日本最大級のフランチャイズが「金が無い」なんて、どう考えてもおかしいよ。

 

以上、色々と書いてきたものの、本作が私にとって大興奮の良作だったことは否めない。思想云々は別にして「ここまでタブーに踏み込んだ」「仮面ライダーを使って左翼闘争かよ!」という驚きは、近年では得られ難い感覚だった。

先にも述べたが感動ポルノばかりが流通する現代映画界で、ここまでやったのけたことには拍手を送りたい。

 

あと、最後に念のため書く。

暴力革命や闘争は、飽くまでフィクションの中だけ。私自身、それを肯定しているわけでも、赤軍派を支持しているわけでもありません。悪しからず。