マルチ商法をぶっ潰せ! ‐或いは、自分のことを愛せない人々へ‐
さてさて、またこの話を書かなければならないとはね。
これはもう7年ほど前に僕が書いた記事。
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まあ、今回に関しては僕ではなく、妻の方に勧誘があったのだけれど、まだこんな勧誘をやっているアンポンタレがいるのかと思うと、「人ってのはなかなか進化しないものなんだな」と苦笑せざるを得ない。
僕が「マルチまがい」商法やら「ネットワークビジネス」を憎む理由は沢山あるのだけれど、その理由の一つに「勧誘される側の心の弱さ」がある。
僕の経験上、マルチまがい商法の販売員には売れないミュージシャンや声優、俳優志望、貧乏な劇団員、お笑い芸人が多かったように思う。現状に満足し充足した生活を送っている人間は殆どいなかった。それもそのはずである。
勉強もスポーツもできず、これといって人よりも秀でたものがない。恋人もいなければ友達もいない、自分を肯定できる要素があまりにも少ない。
そんな人間が逃げ込む場所として、芸術関連は最適だ。何故って? 明確な意味での勝ち負けがないから。勝負しなくて済むじゃない。
何者にもなれなかった人々は、そんな感じで芸術関連になだれ込み、いつしか「売れない自称芸術家、表現者」を名乗るようになる。
「できないことばかり」「普通にすらなれなかった」彼らは、言ってしまえば「当たりまえに享受されるはずだった幸せ」を手にいれられなかった人々でもある。
マルチまがい商法は、そんな彼らの心の隙間を狙ってくるのである。
「俺が友達になってやるよ。その代わり、傘下に入ってよ!」
偽りの笑みを浮かべて近寄ってくる販売員よ。彼らはとても親切だね。心の弱ったみじめな「売れない自称芸術家、表現者」にやさしさをくれる唯一の存在。当たりまえだ、「売れない自称芸術家、表現者」が彼の傘下に加わってくれる可能性がある限り、彼ら販売員は親切にしてくれる。利用価値があるかぎりはね。
胸糞の悪い話だ。
でも、僕が一番気に入らないのは販売員のアホ達ではない。
販売員の話す「底の浅い口車」にまんまと引っ掛かってしまう「売れない自称芸術家・表現者」の方である。
いや、わかるんだよ。君たちには人に秀でたものがない。勉強もスポーツもできなかったんだろう。だから優劣のない分野に逃げ込んだ。
友達もいないし、いじめられた過去もあったかもしれない。イケてる大学生がやっているような「友達と大勢でドライブ!バーベキュー!」なんていう輝かしいリア充ライフを享受できなかったんだと思う。恋人もいたことがないのかもしれない。
自己肯定感が極端に低いのも知っている。
マルチまがい商法に加われば、そこには仲間がいる。夢を語りあって「自分たちは正しいことをしている」と実感できる。
「普通に生きている人々がバカみたい」と思うこともあるかもしれない。
傘下の販売員が増えれば、自分が認められたかのように嬉しい。
所属している会社のイベントに呼ばれて表彰台に立てるかもしれない(そうそう、マルチの会社って、表彰イベント多いんだって。自己肯定感を植え付けるためらしい)。
「何もなかった自分の人生が、変わるかもしれない」
アホか。
お前の人生はマルチまがい商法をやるだけで変わるのか? 安い人生だな。
本当に、勧誘されて犬みたいに尻尾振って入会しちゃうバカの多いこと、辟易するね。
ちょっと賢そうな言葉をチラつかせれば「この人、頭良いんだ!」って錯覚してしまう。いやいや、あなたが何も知らないだけだよ。新聞くらいまともに読めよ。
足元見られてることに気づけ。お前たちはただの鴨だ。
こうしてみると、例えば子供のころや学生の時の体験っていうのは、その後の人生に大きな影響を及ぼすんだな。冴えなかったいじめられっ子は、おとなになってもいじめっ子たちの鴨にされる。
しかし、君たちはもうそろそろ目を覚ますべきだ。
マルチまがい商法やネットワークビジネスをやれば空っぽで底の浅い形だけの「幸せ」は手に入るかもしれない。偽りの友情や、リア充の「真似事」に終始したイベントとかな。
しかし、それは「何もない自分自身」から目を逸らしているだけだ。
結局、今ある自分がどんなに気に食わなかったとしても、真正面から自分を見つめるしかないのだ。安直な勧誘なんかに逃げるべきじゃない。辛い自分とちゃんと向き合え。
何も秀でたものが無い自分も、「普通の幸せ」を手に入れられなかった自分のことも、将来に不安を感じている自分のことも、全て肯定しろ。すべての瞬間を肯定するのだ。
「自分には何もない」と嘆く暇と愚痴をこねくり回す脳みそがあるなら、自分の価値を創るために頭を使えよ。一生かけて「なりたい自分」ってやつを手に入れろよ。
浅はかなヤツばかりだ、本当に。
今回妻が受けた勧誘には、やはり「自称芸術家・表現者」の女の子と、これまた「自称芸術家・表現者」の中年男性がいたらしい。恐らくは中年の方がボスだろう。嗚呼、やっぱり…って感じ。
妻には危機管理の能力があり、以前から「怪しい」と踏んでいたとのことだった。さすが我が妻。
鍋会みたいなものもあったんだってさ。リア充の真似事か。そんな「人集め」ばっかりやってないで、自分の芸術活動やら表現活動でやりたいことがあるのならそちらに尽力したほうがよっぽど良いのではないかね。
あ、あと付け加えると、この本の話をしてくる人たちはほぼ「マルチ野郎」らしいです。
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この本読むと「何かやらなきゃ!」って思うらしいです。本当に底の浅い人々や。普段から活字を読む習慣がない人のための本でしょ、これ?
長く生きていればそれなりに色々あるものだ。
そんな心の隙間を狙ってくる不貞の輩がいることを、わすれてはいけないね、本当に。