極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

夏の夜

 

 

夏の夜、外は眩暈がするほどの暑さ。アパートの廊下に転がる蝉。ほの暗い電灯。

 

空調の効いた部屋で僕はパソコンと向かい合う。一文字も書くことがないまま小一時間。麦茶がなくなったので、ピッチャーを洗って新しい茶葉と水を入れる。何も書けない時は、浮かんだままに書く。手が向く方へ自動筆記だ。わざわざ頭を使わなくても、そのうち本音が出てくる。辻褄は合わないかもしれないが、少しずつ書いていく。

 

7月に母方の祖母が他界した。去年は父方の祖父が他界したので、訃報を聞くのは二年連続だった。高い声でハキハキと話す人だった。横浜に住んでいたので、母方の祖母との思い出は、みなとみらい近辺や横浜そごうなんかが多い。

 

親戚に会うのも久しぶりだった。25年振りくらいに会う人も居た。

 

去年からか、親族の死に向き合う度に「自分はどこに向かっているのだろう?」と考えるようになった。子供の頃は当たり前に居てくれていた人々が、時間と共に去っていく。久々に会う親族たちも、確実に歳を取っている。抗うことのできない大きな流れの中で、一人佇んでいるようだ。

 

夏は毎年、両親と姉家族と僕ら夫婦で富士急ハイランドで集合するイベントがあるのだけれど、今回はそんな風に考えていたこともあって、とても貴重なことのように思えた。今は幼い甥っ子たちが、今から20年ほど経ってこの時のことを振り返ったときにどんなことを想うのだろう?なんて考えた。

 

夏は解放感があって楽しいはずなのに、毎年どうしても一抹の切なさを噛みしめているような気がする。

こういうときは何か創作するべきなんだろうな。

またギターを弾こう。幸い、夏の夜は深い。