極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

ゴジラ キングオブモンスターズをIMAX 3Dで鑑賞!しかしシナリオ酷すぎ総合45点…

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劇場パンフレット。鑑賞前に購入。観終わった後だったら買わなかったかも…

 

 

 

小学生の頃の僕はゴジラに夢中だった。

7歳の時、ゴジラ人形が欲しくて母親とおもちゃ屋を探し回ったことがある。目当てのものがみつからず母親と二人で途方に暮れたのを覚えている。ゴジラが買えなかった代わりに、母はキングギドラの人形を買ってくれた。目当てのものは見つからなかったけれど、自分のために方々歩き回ってくれた母には深く感謝した。

その年の誕生日、父がゴジラとメカキングギドラの人形を方々探して買ってきてくれ、飛び上がって喜んだ。ありがたかった。

ゴジラのことを考えると、いつもその時のことを思い出す。両親に恵まれた子供時代の温かな記憶だ。

 

さて、そんなゴジラキングギドラの戦いが、最新技術で蘇る!

最先端技術と莫大な資金を有したハリウッドで製作される! その一報を聞いたときから血湧き肉躍った著者である。

 

連日残業続きで疲労困憊の中、仕事終わりの平日の18時15分、日比谷のIMAXシアターにて鑑賞してきた。ちなみに、著者はIMAXも3Dも初体験。IMAX眼鏡も初めて装着した。そして、値段も割高の2800円。 まあでも、これには文句はない。大好きなゴジラ映画である。「最高の環境」で観る以外、この私に選択肢はない。

 

 

 

そんな「最高の環境」で観たキングオブモンスターズだったが、結論から言えば45点だった。巷では大賑わいの当映画だが、気になる点があまりに多い。映像は150点。シナリオでマイナス105点。

ネタバレしない程度に記述していく。

 

まず、今回の騒動の発端となるある人物について。

この映画では、ゴジラの他にもラドンモスラ、ギドラと東宝が誇る3大怪獣+凶悪宇宙怪獣が登場する。

怪獣たちは皆、人間が生まれる以前の古代に地球で繁栄した後に、それぞれ火山や海底、南極などに冬眠したわけなんだけど(クトゥルー神話が元ネタ?)、ある人物がそれらの怪獣を電波装置を使って次々と覚醒させていく。

 

その理由が全くもって理解できなかった。

その人物の言い分としては

 

1:人間たちのせいで地球環境は悪化した

2:怪獣たちは自然環境を元に戻す存在である

 (実際、前作の戦場となった場所には緑が栄えている)

3:怪獣たちを叩き起こして地球のバランスを保持するべき

 

いわゆる環境テロリスト的思想なわけだけれど、この人ね、怪獣のせいで家族が死んでるんですよ。そんなことしても自分のような被害者が増えるだけじゃん。

「は? なんで?」って感じ。

 

それで、中盤頃になって自分の娘から「こんなことをしてあの子が喜ぶと思ったの?」となじられて、しくしく泣いて何も言えなくなるっていう。

 

アホか! もっと早い段階で気づけや!

 

シナリオの詰めが甘いと思わざるを得なかった。ややこしく家族の問題なんて出さずにもっとわかりやすくするべきだと思う。敵を環境テロリスト一本にするとかさ。

この「家族のグダグダ」のせいで、肝心の怪獣パートでもイマイチ盛り上がり切れなかった。だってこれ、祭り映画でしょ? ゴジラもギドラもラドンモスラも出てるのに、全然「わっしょい!」できないよこれじゃ。

 

下手に賢いことやろうとしないで欲しかった。ハンバーガー食べに来たのに豆腐ハンバーグ出された気分。もっとバカみたいにわかりやすくて良いんだよ! 

こっちはアブラ食いに来てんだよ! 油! 脂! アブラ! アブラよこせや!

 

 

もう一点は、核兵器の扱われ方について。

これはもう、自分が日本人だから仕方ないのかもしれないし、考え過ぎなのかもしれないけれど、ああも簡単に核兵器をポンポン使われると、どうもネガティブな心境になってしまう。

そもそもゴジラは「核兵器の恐ろしさ」を描くために制作された映画だったはずである。

同じゴジラ映画でも「シン・ゴジラ」では、いかに核兵器を用いずにゴジラを無力化するのかという命題があった。第一作目の精神を引き継ぐ姿勢を強く感じた。

今回の監督のドハティ監督は、ゴジラファンを公言している。

怪獣の描き方諸々をみてみると愛が溢れているし、本当なんだろうとは思うけれど、根っこの部分でゴジラを理解してくれてるのかな? という疑問が残った。

前作でも使ってたしね、核兵器。ポンポン使い過ぎ。そういうのが良くないよ!っていう映画だったじゃない、ゴジラって。わかってるか?

 

それとも、仕方ないのかねぇ。俺が考えすぎなのかね。日本人と外国人では核兵器に対して温度差があるのは、もう越えられないことなのかね。

 

まあ、いろいろ書いたけれど、映像美は満点、怪獣たちのバトルも見ものでした。

前作「ゴジラ2014」を酷評してる人の多くは、前作の怪獣パートの少なさに不満があったようだけれど、今回は怪獣の数も多いしバトルは迫力満点です。

僕は特に、シナリオがグダつく前のゴジラVSギドラのパートは涙が出るくらい熱くなった。

まあでも、僕は前作の方が好きです。傷だらけになりながらも立ち上がるゴジラの姿に涙しました。平成ガメラ的な戦い方だったよね、前作。

今回は初戦からかなり良い試合していて、前回ほど盛り上がれなかった。

ああ、また悪いこと書いちゃった…

 

あ、あと超兵器の登場ね! あれはすごいすごい良かったよ!

メカ好きの私としては、この勢いでスーパーX的な超兵器が出てくることを期待します。2014年版はリアル志向だったけれど、今回を境に、よりSF的になっていくんだろうね。それは楽しみ。

 

そして、エンドロールが終わった後のあのシーン。絶対に席を立たないように。

 

 

まあ、繰り返して言うけれど、シナリオって大事だよ、本当に。世界規模でお金かけて世界一優秀な人材を使ってあれだけのものを見せてもらったのにも関わらず、僕の場合はシナリオで全てが台無しになった。

あかんで、ホンマに。こっちはハンバーガー食べに来たのに無駄に賢そうなことやろうとすんなや。バカで良いの、マジで。祭りなんだから。

 

俺の心のラドンも「そうだ! そうだ!」って言ってるぞ。