極楽記録

BGM制作受け付け中! BGM制作事業「キリカ工房」の主、ソロユニット「極楽蝶」の中の人、ユニット「キリカ」のギターとコンポーザー、弾き語りアーティスト、サポートギタリスト、編曲者のサエキの記録

ターミネーターニューフェイト、偉人たちのキャリア総括

 

 

 

 

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いやもうね、やっぱりこの話をするときは「2」の話からしなきゃなのよ。

 

僕はターミネーター2の大ファンである。以前、他のブログでも書いたことがあるのだけれど、中学生の時はVHSを持っていたので、休日が来るたびに観ていたほどである。

本当の話、僕が生涯で一番観た映画が「ターミネーター2」なのである。誇張なしで、50回以上は観てると思う。先日土曜プレミアムで放送されていた際も「さすがにもういいだろ。何回も観てるしな」と心の中で斜に構えつつも放送が始まるや否やテレビをつけて前に陣取って手に汗握りながら鑑賞した。「やっぱり面白い!」と観ていて嬉しくなった。そして、最後にはうっすらと目に涙を貯めている自分に気づくのであった。いやもうね、何回観たとか関係ない。何回観ても本当に面白い。

 

そんな「2」の筋金入りのファンの私である。19歳の頃、とある情報番組で「ターミネーター3が制作中」という報せを聞いて途方に暮れたのを覚えている。原作者のジェームズ・キャメロンは以前「僕の中でターミネーターは2作目で終わっている」と発言していた。にもかかわらず、である。しかも原作者のキャメロン氏は不在。のちになってキャメロン氏は「3作目は僕も納得の傑作だ」と言い放った。僕は「嘘だ」と思った。

「キャメロンはカネを掴まされて、PRのために言わされているに決まっている」と。

だって、2で終わりって言ってたし、結局使われなかったけど、世界に平和が訪れたシーンだって撮影していたのだ。

 

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これがそのシーン。

 

 

ターミネーターは「2」で終わってるんだよ。蛇足でしょ。なぜ続けるのよ?

金か? 金儲けか? ああそうかい、わかったよ。くたばれハリウッド!

 

若き日の僕はそんな風に思い、しばらくハリウッド映画から遠ざかって、ゴダールの気難しい映画を眠い目をこすりながら観ていたのだった。若かったね。発想の幼さたるや恥ずかしき…。

 

最近ようやく「3」を観たけれど、まあ普通に面白かったです。主人公ジョンの腐り方に共感を抱かざるを得なかった。戦争が起きなかったことによって英雄になれなかったという皮肉には考えさせるものがある。

 

「4」は「僕たちの見たかった未来の戦争」を描いてくれたという点で面白かった。

「5」は、もう絶望した。ちなみに「5」の感想は以前運営していたブログに投稿している。あれは「ターミネーターの顔をしたビバリーヒルズ青春白書」だ。

https://ameblo.jp/katsumi0225/entry-12118311368.html?frm=theme

 

やっぱり原作者キャメロン不在のターミネーターはどうしても「世界一金を使った同人誌」にはなってしまいますよね。

今回キャメロン氏は「プロデューサー」として新作に参加している。まあどれほどの裁量権があるのかは不明だが…。

そしてまたもや「2の正当な続編」という謳い文句…。不安しかない…。

 

ターミネーターニューフェイト」、以前の僕ならきっと映画館に行こうとは思わなかっただろう。何を観たとしても、50回以上観た「2」を超えることはあり得ない。あるのは「カネ儲け」の匂いだけだ。ただ、今回はそれまでの「3」~「5」までとは違う。

 

サラ、リンダ・ハミルトンの復活があった。

女優としてはほぼ引退状態だったハミルトンが、新作で登場する。そう、ターミネーター聖母マリア処女懐胎の話なのだ。サラが居ないターミネーターは、もはやターミネーターではないのだ。

そして、すっかり歳をとって柔和にも見えるアーノルド・シュワルツェネッガー

「T-800を演じるのは、これで最後」との発言もあった。年齢から考えて、これは本当だろう。もう70を超えているのだ。前述のリンダ・ハミルトンは撮影時62歳。

キャメロン氏と3人で作り上げた作品を、3人で総括する。なんと感慨深いことだろう。

ファンとしては、観に行かない理由がないわけです。たとえそこに「カネの匂い」があったとしても。

 

さて、長い前置きだ。「ニューフェイト」の話をする。

今回の敵である「REV-9」は、「2」の最強最悪の敵「T-1000」同様の液体金属製であり、二体に分裂して戦える他、ネットにアクセスして標的を捜索、ドローンを使って攻撃する等、現代的なアプローチで主人公たちを追い詰める。

しかし、やっぱり「T-1000」の「うわぁ! 来たよ!」の怖さは越えられない。

あの時代は単純だった。今は複雑すぎる。作り手も大変だろうな。それに、液体金属という発想も、二度目以降は新鮮な驚きを与えられない。

 

主人公の「守護者」として現代に送り込まれる強化人間のグレース(マッケンジーデイビス)。近接戦闘で華麗な身のこなしを披露し、観るものを圧倒させたが、「長時間戦えない」という弱点があり、精神的にもどこか頼りない。この「頼りなさ」が緊張感を見事に演出する。

 

そして、我らがマリアさま、サラ・コナーはブランクを感じさせることのない女戦士。彼女の登場でようやく観客は一息つける。その頼もしさたるや、やはりレジェンドである。

 

シュワルツェネッガー扮する「T‐800」。彼の登場によって物語は「逃走」から「闘争」へと変わる。色々と設定に無理はあるが、やっぱりシュワルツェネッガーが出てこないターミネーターはあり得ない。

 

色々と思うことはある。「REV-9」の倒し方は「T-1000」のときの「ああ、これは死ぬわ」と明らかに目で見て納得できるものではないし、輸送機に乗る前のサラと軍人とのやり取りはイマイチわかりづらい。逃走者と追撃者との間で繰り広げられるカーチェイスはもう何度も観たし、何よりも初っ端で殺されるある人物のことも、現実的な事情を考えざるを得ない。どうしても何か言いたくはなる。

それでも、長い間観たかった「サラの物語」を観ることができたし、逃走者たちが作る疑似家族のような連帯感にも思わず熱くなった。キャメロン、ハミルトン、シュワルツェネッガーの三人が作った最後の作品、劇場で観れて良かったと思う。

 

まあでも、やっぱりターミネーターは「2」で終わってますけどね。

 

 

 

閉店前にウェアハウス川崎店に行ってきた。

 

マジで最高でした。仕事の関係で今、資格取得のため毎週火曜は学校に通っている。連日の激務に加え貴重な休みは学校で潰れるという悪夢のような現実を過ごす私に、ウェアハウス川崎店はご褒美以外の何物でもなかった。もう一回言うけどマジで最高でした。

 

ウェアハウス川崎店は、かつて香港に存在した集合住宅である九龍城砦(クーロンジョウサイと読むらしい)をモチーフにしたゲームセンターだ。雑多で猥雑な魅力を持った九龍城砦に魅了されたクリエーターは数多く、サイバーパンク小説や漫画をはじめ様々なコンテンツにそれをモチーフにした建造物が登場する。

実際の九龍城砦はこんな感じ。

 

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東洋のカスパと言われた九龍城砦

 

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無計画に増築され、より複雑でカオティックに変貌していった。

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「牙」って書いてあるのは大体歯医者なんだそうだ。

 

そんなカオティックな世界が広がる九龍城砦。その世界観をウェアハウス川崎は見事に再現したのだった。

 

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サビ加工まで忠実に再現。話によると、家庭ごみをわざわざ香港から空輸したという話もある。ものすごいこだわり。

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ここはトイレなんだけど、ものそい入りづらい…

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ここゲーセンだぜ? 信じられないよね?

 

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3階は人気のフォトスポットエリア。インスタグラマーが沢山いたね。

映画「恋する惑星」のブリジット・リンのような一枚。

王家衛の映画、10代の頃ものすごいハマったな。カッコよかった。

 

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色々なメディアで言われていることだが、閉店に関しては経営的なことではなくテナント契約の期限によるものらしい。要は、大家さんとの契約が切れるから。

斜陽と言われて久しいゲームセンター業界で、コンセプトで勝負に出たウェアハウス川崎。閉店すると聞いて初めて聞いたけど、こんなに楽しい場所だと知っていたら何度でも立ち寄ったと思う。日頃の疲れも飛ぶほど楽しい一夜だった。

 

知らなかったことが悔しいし、閉店が名残惜しい…。

気になる方はぜひ行ってみてください。閉店は今月17日までだそうです。急げ!

家事をやるときに「youtube」

 

近頃仕事が激務に加えて資格取得のために学校も通わなくてはならないので、家事を妻にお任せしてしまう日々が続いていた。ほぼ休みなし。うおお…。

今日は久しぶりの完全オフだったので、妻が帰ってくる前にサンマを焼いたり味噌汁やらサラダやらをこしらえた。やっぱり家事はやらなきゃいけませんね。忙しいけど、ちょいちょい頑張らねば。

 

家事って面倒なことが多い。何せ、成果が見えにくい。単調なようにも思える。

掃除なんかは、こだわりだすとキリがないし、頑張って綺麗にしてもまた3日も経つと埃が立っていたりもする。

まあでも、そうはいってもやらなきゃダメだよね。無理しない程度にやらねば。

あと、余談ではあるけれど、お年寄りなんかは家事やらなくなるとすぐにADL(activity of daily life:日常生活動作のこと)低下するからね。生きるために必要な動作が家事にはあるわけ。

 

さて、僕には家事をやるときの楽しみがある。とてもささやかなものだけれど。

簡単なことなんだけど、「youtube」で配信されている動画をラジオ感覚で聞くこと。

僕は雑学系や解説系のyoutube channelが好きなのだけれど、ああいうのって平均的に30分以上の長尺動画がほとんどで、しかも画的には開設者がずっと同じ絵面でしゃべっているだけなので退屈してしまうのだよね。視覚的な刺激はないから面白い話のはずなのに飛ばしたくなってしまったりね。そういう動画は基本的にラジオ感覚で聞くのが正解のような気がする。気になった時だけ画面を見て10秒戻してみたり。

 

そんなわけで、今回は家事をやる際に聞いている、個人的におすすめのyoutube channelをいくつか挙げてみようと思う。

 

 

岡田斗司夫youtube channel

 


100年以上前にロケットは作られていた?!それは悪魔の兵器…

 

オタキング」の通称を持つ岡田斗司夫さんのyoutube channel。

アニメ、映画だけでなく歴史、学問、読書解説などなど。

個人的には宇宙開発の話が本当に面白い。スプートニクショックやジェミニ計画、アポロの月着陸の裏話などなど。

岡田さんは本当に、知識と好奇心の塊のような人で、今日もサンマを焼く際にずっと聞いていた。こういう、お利口になった気にさせてくれるchannelは好きだ。

凄い熱量だな、と毎回感心させられる。

 

 

 

山田玲司ヤングサンデー

 


#227「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」と「パルプ・フィクション」徹底解説!〜天才映画オタク、Q・タランティーノの復讐のピングドラム!!

 

こちらも岡田斗司夫さんと同様の雑学、解説系のyoutube channelなんだけど、山田玲司さん独自の視点で語られる解説が勉強になる。

特に、1960年代~現在に至るまでの近代史についての考察が鋭い。団塊、ヒッピー運動、学生運動しらけ世代などなど。学校では振り返ることなく、教えることそのものがタブーとされていた近代史を、わかりやすく掘り下げてくれる。

まあ何より面白いのは、男子校っぽいノリで番組が進行していくところかな。

この華のなさがどことなく懐かしくて、良い。

 

 

中田敦彦youtube大学

 


【超大作】日本の神話「古事記」が面白い〜第1話〜日本の成り立ちを知っていますか?

「自分の得意なことを武器にする」を体現する、オリエンタルラジオのあっちゃん。

youtubeはテレビと違い、自分の思うように好きなこと、得意なことをやれる場だ。

正直に言うと、テレビに出ているときのあっちゃんは特に気にしていなかった。

芸能人の方こそ、youtubeで自分の隠れた才能を披露するべきかもしれない。テレビの制約を外されたあっちゃんは本当に強い。

頭脳明晰なのは色々なところで言われていたけれど、ここまで勤勉な方だったことに驚いた。努力の塊なのがよくわかる。

上の動画は古事記についての解説。芸人特有の軽さを残したトークだけれど、要点はよくわかる。古事記、僕は子供のときに読んだっきりで殆ど忘れていたのだけれど、動画を聞いて思い出した。面白かったな。

 

 

人類総クリエーター時代と言われて久しいこの頃。たくさんのyoutube channelが存在しているわけだけれど、お金を払わずに楽しむことができるメディアって本当に貴重だと思う。僕の見ている動画チャンネルの共通項を挙げるとすると、「熱量」の一点に尽きると思う。無料でこれだけのものを見せてもらえて、満足度がハンパじゃない。

見る前と見た後で、確実に違う自分になれている。

これだけの熱量のある動画をほとんど毎日挙げているクリエーターさんたちには本当に頭が下がる。これからも家事の際にお世話になると思う。

 

そうそう余談だけど、youtubeで食べていくにはほぼ毎日3~4万再生される動画を作り続けなきゃならないんだってね。それで食べていけるかいけないかくらい、だそうです。

子供に人気の職業「youtuber」だけど、なかなか甘いものではなさそうだ。

 

 

 

渋谷、原宿を歩きまわっていた日々

 

毎年、ハロウィンの時期にクローズアップされる渋谷。「今年も品の無い大騒ぎ振りだな」と横目でテレビを見つつ過ごしていた。渋谷ハロウィンは、まだ知名度の無かった2012年頃が一番良かった気がする。仮装する人間が少数派で、これまた感度の高そうな人々が仮装している感じ。今のように大衆の手に落ちると、カルチャーっていうのは腐っていくものだ。

渋谷区のお偉いさんたちも、ほとほと手を焼いているようで、町内会のおじさんなんかは「なんであんな馬鹿共に金を払わなきゃならないんだ」と憤っていたな。

 

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2000年代の渋谷は、高校時代の僕の憧れだった。

 

 

なんというか、僕としては10代後半の頃に憧れだった街が地に落ちたような寂しさがあった。僕がハイティーンだった20年前は、渋谷は音楽、ファッションの発信地だったのに。

 

高校生の頃、僕の通う学校は高田馬場にあった。とは言っても、名門揃いの高田馬場でも偏差値的にはお世辞にも高いとは言えない学校だった。校則も厳しく、体育教師たちが校内で派閥を作り、体罰と恫喝で学校の全権を掌握しているという、なかなかにディストピア的世界観を漂わせている高校だった。どこのソ連だよって話。

絵にかいたような青春を期待していた入学当初の僕は早々に自分の青春を諦め、内に秘めた好奇心を押し殺しながら日々を過ごすこととなった。

大人になることへの憧れと、10代の頃の多感な感性を持った当時の僕は、いつしか放課後や休日に渋谷の街をたった一人で歩きだすようになった。きっかけは、当時読んでいた雑誌「BOON」や、深夜の情報番組の影響だった。スマホの無い時代、僕の情報源は「BOON」と「tower count down」、「ファッション通信」、「シネマ通信」に限られていた。少ない情報が、むしろ想像力を掻き立てたのだった。

 

渋谷駅を南改札から出て歩道橋を渡れば大型楽器店。ギター各種機材をチェック、ハチ公口に戻って明治通りを歩きだすのが僕のいつものルートだった。

 

今も昔もゴミがそこら中に落ちているセンター街はおっかないので無視。

 

右手にあるマクドナルドを通り過ぎ、「ミュージアムフォーSHIPS」で服を見る。ここは高いけどカッコいい。少し戻って、タワーレコードに入って試聴機にかじりつく。タワレコを出て正面、西武方面へ歩き、北上すればライブハウス「SHIBUYA-AX」。僕はここで人生初めてのライブを体験する。「Dragon Ash」のこけら落しイベントだった。スケボーキングも出ていたな。

タワレコへ戻り北上して高架下を抜け、原宿方面へ。

ここでは「SLAP SHOT」でまた洋服を物色。ストーミーフラッグタワーもこの辺だったっけ?

表参道との十字路には原宿女子の象徴「ラフォーレ」、僕は右折して青山方面へ。

古めかしいコンクリート造の同潤会アパートには感度の高そうな人々が窓からその姿を見せる。

サンタモニカの古着と、シェーキーズ

 

キャットストリートの「go getter」で、ラグランスリーブのロンTを買った思い出。ロンT、流行りましたよね。

 

表参道に戻り、道路を渡って裏原宿へ。

「LONSDALE」の、ライオンが描いてある紺色のTシャツは、色があせるまで着たな。

表通りに戻り、BEAMSへ。ここのBEAMSで買った青とブラウンのボーダー柄のセーターは、今でも冬になると着ている。洗いすぎて肩が落ちてしまったけど。もう20年近く着ているのか。凄いな。

 

雑誌の付録にあったマップを切り抜き、高校生の僕は独り渋谷と原宿を歩き回った。ほどなくして友人が出来て二人で回ったりもしたけれど、そいつは物欲が強くて、欲しいものがあるとすぐ僕に金を借りようとしてきたので距離を置いた。

というか、高校に通っていた時も、自分が渋谷原宿を練り歩いていることはあまり人には話さなかった。当時から、あまり自分のことは話さなかったのだ。今はブログやSNSがあるから、こういう形で自分を外に出せるけれど。

 

あの日々を懐かしく思う。今調べてみたところ、上記に記した店の殆どは閉店していた。あの時の渋谷、原宿は、いまでは僕の記憶の中だけの存在になってしまった。

 

憧れだった街は、時代に合わせてその姿を変えていく。

 

 

結婚式から二年が経った。

 

10月21日は、我が家では結婚式記念日ということで通っている。

あの嵐の横浜で行われた結婚式から早二年である。準備が大変だったこと、当日一週間前にパソコンが壊れたこと、当時住んでいた家が古すぎて害虫の猛襲に遭い続けて疲弊しまくっていたことなどなど、色々と感慨深い。

今思えば、お気に入りの式場だったのだけれど立地的には我々の生活圏から遠く、参列された方々には不便をおかけしてしまったり、余興でベースを弾いてくださった方にはアンプまで運ばせてしまったりと、思い起こせば色々と反省点が見えてくる。

 

時間が経てば交友関係も変化するので、「今やるならあの人もお呼びしたいのに」なんていう、これはもうどうしようもないことまで考える始末。

「今やるなら…」っていうのはめっちゃ考える。どうしようもない。わかってるし、まあやらないだろうけど、考える。そうやって妄想するの少し楽しかったりするし。

 

それでも、振り返れば自分たちは本当に素敵な人々に囲まれて生きてきたのだと実感した。参列してくださった皆様、家族のみんな、本当にありがとうございます。とても勇気づけられました。今後の人生、嫌なことがあったときは、あの日のことを思い出して、また顔を上に挙げて歩いてみます。

 

今年の記念日当日は、ピザを注文してささやかにお祝い。二人しかいないのにLサイズを注文、他にもサイドメニューやらデザートやらでたらふく食べて胃が限界にまで達したのだった。ちなみに、去年は秋葉原牛角でお祝いした。ああ、腹減ってきたわい。

 

結婚して早三年になろうとしている。

三年の間、自分の心にもちょっとした変化があった。端的に言えば、悩むことが極端に減った。精神がこれまでになく安定している。

占い師の方が言っていたけれど、世の中の人々が抱える悩みというのは結局のところ「恋愛」か「家族」か「仕事」の三種類しかないらしい。

確かに、自分はこの三年の間に悩む機会というのは極端に減った。上記の説が正しければ、自分なんかは「仕事」しか主たる悩みがないということになる。まあでも、それでも「仕事」っていうのは考えなきゃならないことが多いし、大きな悩みでもあるけれど…。

 

俯瞰した目で世の中を眺めてみても、世の中には恋に悩むラブソングやら恋愛ドラマが一大市場を作り上げ、大きな需要と供給を産んでいる。なるほどな、と思う。凄すぎる。資本主義経済は恋愛を資本にして富を産んでいるのだ。凄すぎるよマジで。

意中の人に振り向いてもらいたい一心で、人々は新しい服を買い、コスメを買い、消臭剤を買い、新しい趣味を始める。「恋愛」は、消費の主要素だ。

 

婚活パーティー、街コン、出会い系、ETC…ETC…

 

片思いで居続けることが消費を推し進める。

 

かく言う僕は、そんな「恋愛市場」から遠く離れ、かなり自由に遊んでいる。

実際、カッコつけなくて良いっていうのはずいぶんと楽なもんです。

このブログを読んでくれている人達ならおわかりいただけるかと思うが、やれゴジラやらバットマンやら音楽やら映画やら、こんなのモテようとしてる奴が書くブログじゃないわけですよ。

これがもし、僕が独身でパートナーが居ない男だったら、ラテアートだのパンケーキの店だのっていうブログになっているかな、と想像してみる。考えただけで寒気がする。そんなの書いても、書いてる僕がちっとも楽しくない。

 

素の自分のままでいても傍にいてくれる人がいるというのは、とても勇気づけられるものである。あと、ちょっとした失敗をしても、家に帰れば自分を受け入れてくれる人が帰りを待っていてくれることは、他には代えがたいものだ。

幸せなことですね。

 

このまま続いていくと良い。

 

またピザでも食おうぜ。

 

音楽系即売会「M3 2019秋」終了、マネージャーS氏のこと。

 

 

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ブース。個人的に今回はとてもうまくできたと思います。

 

 

今回で3回連続参加となった。ブース作りもうまくなった。小道具や飾り、モノトーンの布もお気に入り。

僕は今回は目当てのサークルさんもおり、遅まきながら初めて顧客目線で会場を歩くこととなった。今までは自分のサークルをどうするかだけを考えてきた。顧客のことを考えているつもりではあったが、自分が完全に「お客さん」になったのは本当に初めてだった。

数多くいるサークルさんたちの中から自分の気になったサークルさんを探し出すことの大変さや、見つけたら見つけたで、今度はサークルさんに話しかけるタイミングやら何やら、本当に色々と難しいのだと痛感した。

 

今まで我々を目当てにブースまで足を運んでCDを買ってくださった方々、買わなくても試聴してくださったり、足を運んで見てくださった方々には感謝しかない。自分の目当ての方々の音源にたどり着くまで、お客さんたちは色々な障害を乗り越えなければならなかったのを改めて理解した。我々サークル側も、色々と交通整理して見つけていただきやすくする必要があるし、話しかけやすい雰囲気を作る工夫が必要だと感じた。

 

また色々練り直さなきゃですな。

 

 

閑話休題

 

我々にはS氏という名のマネージャーが居る。

S氏に初めて会ったのは大学4年の時だった。僕が新卒で入社したアパレル系会社の同期で、会社の研修の際には共に行動する仲だった。

僕は自分の未熟さやら色々あって、その会社は一年で退職してしまった。20代中盤の先の見えない日々をただやり過ごしていた僕に、S氏は変わらずに接してくれたのだった。大人になってからできた唯一の友人だった。

僕と違い有能なS氏は3年働いたのちに自分の次の展望を考えて退職し、二人でフリーター生活をしていたこともあった。たまに秋葉原で落ち合ってはカラオケに行き、アニソンやらミッシェルガンエレファントやらを唄って声をガラガラに枯らせて大笑いしていた。

今思えば、本当にお互い若かったと思う。

不安や焦りもあり、挫折も失望もあった僕とS氏の20代中盤。そんな日々の中でも秋葉原で会えばお互い変わることなく近況を笑い、声を枯らして歌を唄った。何も特別なことはないのだけれど、これはこれで青春だったと思う。

 

そんなS氏から今年の夏に連絡があった。直接会って話したところ「京都に住むことにした」とのこと。衝撃だった。

 

「まあ、これで今生の別れでもないしな」「京都に遊びに行くよ」等、なるべく感傷的にならないように振舞いつつ、その日もいつも通り秋葉原で遊んで解散となった。

 

帰り道、色々と思いめぐらせた。

 

20代中盤、お互いに不安を抱えながらもたまに秋葉原で会ってはカラオケで喉が枯れるくらい歌って笑い転げていた日々。

 

知り合いが一人もいない中、我々の結婚式に来てくれて受付業務までやってくれたS氏。

 

ライブや即売会の時はチケット代まで払ってくれた上で駆けつけてくれて、僕らにアドバイスをくれたS氏。

 

「俺はS氏に何を返せただろう?」

 

「世話になってばかりで、何も返せてない」

 

友人の門出が迫る中、そんな思いが込み上げてくるのだった。あまりにも自分が情けなかった。それに、たまにしか会うことはなくなったのだけれど、やはりS氏が遠くに行ってしまうのは寂しかった。

 

 

今日も我々が来る前にブースに到着し、「遅いよ」と言って笑っていたS氏。彼には感謝しかない。

僕は友達って少ないのだけれど、本当に良い仲間だけが残っていると思う。

 

世話になっているS氏、その人柄ややさしさに甘えず、しっかりと恩を返していかなきゃな。

 

しかし、京都に行って大分彼も変わった。まずはスマートになって日焼けして健康的になった。転石苔付かずというか、やっぱり活動的な人は若いよな。東京を離れて3か月しか経っていないはずだが、出会った当初のように精悍である。不思議なものですね。

 

いつか、土産を持って京都に行こう。

 

 

そもそも我々日本人はどの程度ハリウッド映画を理解できているのか?問題。

 

大見栄を切ったタイトルである。

 

近頃は映画の話ばかり書いている私。映画は寝ても覚めても大好きだ。

ちょっと前までいい歳して「映画をみない大人は人としてダメだ」と割と本気で思っていた。

でも、最近気が付いたのだけれど自分に限って言えば、映画ばかり見ていたせいか、碌な大人になれていない気がする。周りの映画好きを見ても、まあ似たようなモンだべな。まあでも、こういう人生しか送れないし、それはそれで祝福したいものである。万歳三唱雨あられ

 

さてさて、そんな寝ても覚めても好きな映画なのだが、最近少し映画とは別の、アメリカにまつわる調べものなどをしているうちに色々と思うことがあった。

ハリウッド映画というのは「世界」を市場にして制作されるものである。アメリカ映画でも、例えばウディ・アレンが作るようなアート系の、アレン氏の地元ニューヨークが舞台となる映画は殆ど「アメリカ人向け」の映画として作られているのだとか。

そんな、世界規模の市場を有するハリウッド映画だけれども、どうも文化的背景を共有しない日本人には本当の意味で伝わっていないことが多いように感じる。予備知識がないとわかりづらいものが多数存在するように思う。今回はその辺の「日本人が共有しづらい部分」を一つ一つ見ていこうと思う。

 

 

元ネタが聖書からの引用

 

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モーゼの十戒 海ばっかーん! そこに住んでた魚やイカや貝はどうすんだよ

はい、これね、本当に多い。宗教映画じゃなくてもあるからね。

スーパーマンは元ネタがモーゼ。ついでに言えば、かの有名な桃太郎さんも。

川に流された赤ん坊が流れ着いた先で育てられ、超人的な力を発揮して英雄となる。

一緒なんですよ、これ。不思議ですね。スーパーマンは著作者がユダヤ人っていうのもあるんだってね。ユダヤの方々にとってモーゼは偉大ですからね。

 

 

前回記事にした「ブレードランナー」でも、キリスト教的イメージは頻回登場した。

レプリカントリーダーのロイ・バッティが、自分の手のひらを釘で刺したりするのだけれど、こんなのはもう超有名なキリストの暗喩。聖痕ってやつね。

 

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キリストは人の罪を清めるために十字架に架けられる

ロイ・バッティ(レプリカント)は人間の欲望によって産まれた存在。

そんな彼が人間の罪を背負ったまま死ぬ。そして、主人公デッカードは救われるのである。まあ、デッカードも「レプリカント説」あるけどね。

 

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屋上からデッカードを見下ろす様は、堕天使アザゼルのよう。

ロイが堕天使アザゼルなら、デッカードはいけにえのヤギなのだろうか。

いずれにせよ、「ブレードランナー」に関しては聖書から推察するに「許されるためのものがたり」と説くこともあるいは可能。

 

 

もう一つ、これまた有名な「ターミネーター」の話。

これはもうヒントありすぎるよね。人類の救世主ジョン・コナーのイニシャルはJC(ジーザス・クライスト)。母であるサラ・コナーは、未来からやってきた男カイル・リースと恋に落ち、救世主を産む。

「未来から来た男=存在しないはずの男」だとすれば、「ターミネーター」は聖母マリア処女懐胎の話となる。

サラはシリーズ3、4には登場しないし、5作目では登場するも語り部はカイルに譲ってしまっているが、そもそも上記の説が正しいのであれば、「ターミネーター」の主人公はマリア様=サラでなくてはならないわけ。

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これが現代のマリア様です。キャメロンの映画は女が強い

 

随所随所に聖書モチーフが登場するハリウッド映画。というか、聖書ってそんな感じで形を変えながら数千年に渡って何度も作品のモチーフにされているわけだから、単純に読み物として優れているってことだよね。時を超越した最高のエンターテインメント作品! 聖書は偉大なり! 俺持ってないけど! 仏教徒だけど!

 

 

 

アメリカの政治的背景

 

お次はこちら。アメリカの二大政党である民主党共和党の違い、分かる方います? 

殆どいませんよね。日本の方では。

説明するときに便利なのは、アメリカの二大ヒーローに例えること。

 

まずは共和党代表ヒーロー「バットマン」!

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我らがダークナイト! 必要ならば権力とも戦う熱いヤツ!

共和党の理念とは、「力あるもの(金持ち、権力者)が世の中を良くしていくべきだ」というもの。アメリカでは「才能」や「能力」は神が与えてくれたものだから、与えられた者はその「才能」や「能力」を使って社会に貢献しなければならない、という考え方がある。日本じゃなかなか馴染みの薄い考え方かもね…。

そして、共和党の最大の特徴は「国家に依存しない」ということ。

国や政府が悪政を働いたら、彼らは銃を取って戦うのである。実際、アメリカでは「革命の自由」が保証されているのだとか。共和党員が「銃規制」に反対する理由がそれ。銃がないと戦えないからね。おかげでアメリカは近年大変なことになっているけど…。

バットマンは金持ちの権力者、法を犯してまで自警活動を繰り広げる。これと対極に位置するのがこの男…↓

 

 

そして、今度は民主党代表「スーパーマン」!

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スーパーマンは「アメリカのために」戦うナショナルヒーロー

「何でも国が管理すりゃ良いんだよ」が信条の民主党

市場、経済、福祉に至るまで、全てを国家が管理し、「大きな政府を目指す」という考え。とりわけ、福祉政策においては成果を上げてきている印象がありますが、どうでしょう? オバマ政権の時は今ほどグラグラしてなかったような気がしますが…

 

ただね、スーパーマンってこの人、政府の犬なんですよ。

冷戦中はアメリカに肩入れしてソ連と戦ってたり…無敵のヒーローが、ですよ?

それを「あのやろー間違ってる!許さねー!」って言ってるのがバットマンなわけです。

そして、両者は対立する、と。

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対立する二つの正義!

こういうの、アメリカの政治的背景を知らない人からしてみれば「ただの子供向けヒーローの対決モノ」に過ぎないのかもしれないけれど、アメコミって「正義について」の考察が色々と深いんですよ。さすがアメリカ。

 

近年、「アベンジャーズ」の方でも「シビルウォー」っていうのがやってましたよね。

あれもアイアンマンを民主党キャプテンアメリカ共和党と考えることができるかと。

正義の味方同士で内輪もめである。やっぱり理想が高すぎると揉めるしかなくなるのかね? 

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両者入り乱れ! 

さてさて、こんな感じであっという間に2500字を越えました。

まとめてみると、ハリウッド映画を本当に理解して楽しむためには文化的、歴史的背景を知識として知っておく必要があるということ。

まあ、そんなの知らなくても十分面白いっていうのもハリウッド映画の魅力でもあるのだけれどね。

今回はSF映画とヒーロー映画に絞って考察してみましたが、他ジャンルの映画でも色々とありそうですな。

皆さま、良い映画ライフを!!